【研究】テレビゲームを止められない理由「根本的な心理的要求を満たせるゲームほど、何度もやりたくなる」[01/29]

このエントリーをはてなブックマークに追加
28名無しのひみつ
MMORPGがマズローの欲求階層に与えるイミテーション

1「生理的欲求」…空気・水・食物・庇護・睡眠・性
生理的欲求は基本的に省略されます。リアルでこれが満たされない貧困層はMMORPGに耽溺する余裕はありません。(出稼ぎアングラRMT労働者除く)
不死のキャラクターが他の生物を際限なく狩り続け奪い続ける貪欲がCRPGからの伝統です。
こういった死もなく空腹もなく、際限なく貪る自己の世界では、そこから演繹的に正しい倫理は成り立ちませんから、未熟な未成年が
親の監督もなく過剰に耽溺することで、歪んだ仮想世界観を源にしたものの考え方を学習してしまわないか心配です。
良識あるプレイヤーが現実社会から倫理を持ち込んでいるからこそ、かろうじてゲーム内に仮想社会が成り立っているに過ぎません。

2「安全への欲求」…安全・安定・依存・保護・秩序への欲求
ゲーム上のキャラクタの安全と保護は、ゲームシステムにより非現実的なまでに確実に保証されます。
死は単なるミスでしかありません。ところがゲーム規約による権利の喪失は、キャラクタにとって最も恐るべき死です。
キャラクタに感情移入していればいるほどキャラクタ喪失は恐れの対象となり、解約引き止め効果となります。
多大な時間をかけて築き上げてきた有能なキャラクタやゲーム内仮想財産は、規約の前では人質・モノ質となるのです。

3「所属と愛の欲求」…家族の中に居場所があり自分が愛されること
よくあるコメディのお約束で、好きな女の子に近づきたいがため、その女の子にやらせの偽悪漢を絡ませ、
それを退治して見せてめでたしめでたしというのがありますね?
そう、そのやらせの偽悪漢の役は、ゲームシステムが請け負います。
MMORPGはマッチポンプ的な協力要素に満ち溢れています。
ある役割タイプが必要とされるのは、それを引き立てるために故意に発生させた需要、ゲームデザインによる自作自演に他なりません。
MMORPGはゲーム内コミュニティによるプレイヤー定着力を最大の武器としていますが、その意味するところは結局、コンテンツ不要の低コストな解約引き止め効果です。
所属と愛の欲求がMMORPG内で仮想的に満たされはしても、それは条件付きの愛であり、都合良く調教されざるを得ません。

4「承認欲求」…自尊心・尊敬されることへの欲求
MMORPGでは効率良く大量に時間をかけさえすれば、キャラクタが有能になります。
ランキングなどの設定された目標に時間を使えば自己主張するまでもなく自動的に表彰されてゲーム内で有名になれたりするようなシステムもあります。
また、仲間達のゲーム内の「つとめ」に欠かさず出席して貢献することで、ゲーム内コミュニティで、より必要とされる存在になります。
それもそのはず、コミュニティの促進を意識したゲームデザインとは、そのかりそめのつとめを与えてやることでもあるからです。
たとえそれが、そのつとめを果たさなくても、本当の意味では誰も困らないとしても…
またそのつとめは、時間以外の全てが容易にデザインされており、承認欲求が強ければそれだけ時間をかければ良いということになり時間の浪費を助長します。

5「自己実現」…自分がなりたいのもへの欲求
MMORPGのキャラクタは自分の望む技能や職を時間と引き換えに獲得できます。
現実よりはるかに短時間で容易に、自分がなりたい自己像に似せてキャラクタを成長させることができます。
本来無い技能をあるように演出するがために「商品としての障害」が「供給」されているからです。
獲得した力を証明する課題はたっぷり用意されていて、それをクリアするたび自己陶酔に浸れるのです。
しかしその分、現実の自分自身が理想に近付くのは遅れていくのです。

6「自己超越」…今までの現状の自分自身を超えたいという欲求
MMORPGはヘビープレイヤー向けの非常に困難な課題も用意されており、その達成には多大な時間と運が必要になっています。
確率が微笑むまで何度も何度も多大な時間をかけて挑戦し達成した暁には、自己超越的カタルシスにしばし浸れることでしょう。
しかしそれは超越ではなく、一種の射幸心でしかないかもしれません。
膨大な時間をかけて手に入れたものは、刹那の良い気分と、かさばらないガラクタと、共に時間を浪費した悪友です。