独立行政法人「海上技術安全研究所」(東京都三鷹市)は14日、全長400メートルの試験水槽の中で
全長50メートルの模型船を使った航行実験を報道陣に公開した。実験は、タンカーなど大型貨物船の
燃費向上につながる技術を開発するためで、これほど大きな模型船を使った実験は世界初という。
船体の海水との摩擦抵抗を減らせば、燃費が良くなる。研究所が進めているのは、船底から直径1センチ程度
の細かな気泡を出し、船体周囲の海水の密度を小さくして摩擦抵抗を減らす研究。模型船を走らせ、
気泡の効果を調べている。
来年度からは貨物船に気泡発生装置を取り付け、海上で試験を行う予定。実用化されれば、
原油高に悩む船舶業界に朗報となる。日夏宗彦・流体制御研究グループ長は「燃料消費量を1
0%減らしたい」と意気込んでいる。【金田健】
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20061215k0000m040133000c.html