組み込み開発の上流工程における、国際標準の資格試験が開始される。
2006年12月13日 22時29分 更新
UML研究所と米Object Management Group(OMG)は12月13日、
組み込み技術者向けの資格試験「OCRES」
(OMG - Certified Real-Time Embedded Specialist Program)を開始すると発表した。
OCRESは、ソフトウェア標準化コンソーシアムのOMGが認定する、国際標準の
新しい組み込み技術者向け資格試験。アーキテクチャや設計といった
ソフトウェア開発の上流工程における技術評価試験として、
OMGとUML研究所が共同開発を行い、
情報処理推進機構(IPA)の定める組み込みスキル基準「ETSS」にも準拠している。
OMG認定のUML技術者資格試験「OCUP」の初級資格「Fundamental」の上位資格に位置付けられ、
中級資格「OCRES Intermediate」と上級資格「OCRES Advanced」が設定されている。
リアルタイムや組み込み分野のアーキテクトや設計者を対象としている。
試験の実施と管理は、米PROMETRICが行い、世界130カ国で実施する。
受験希望者はPROMETRICに申請し、国内約200カ所のPROMETRIC指定会場で受験できる。
受験料は、1プログラム200ドルまたは3万円(税別)。
アジアパシフィック地域以外での英語版試験が12月13日に開始され、
アジアパシフィック地域の英語版試験は2007年1月9日から、
日本語版試験が2007年3月15日から開始される。
英語版試験は、日本人も受験できる。
第1回試験は全世界で2100人(日本1000人、アジア300人、欧米800人)の受験者を見込んでおり、
今後3年間で同1万6000人の受験者を見込む。
UML研究所の碇利之代表取締役社長は、「国際標準の新しい技術試験として浸透させ、
組み込み技術者のスキルが国内外で正しく評価されるものにしたい」という。
OMGの会長兼CEOのリチャード・マーク・ソーリー博士は、
「企業が自社の技術者を正当に評価する基準となるものであり、
資格を取得した技術者が自身のキャリアパスを築いていく上でメリットあるものにしたい」と話す。
UML研究所では、OCRES対策講座を2007年2月から東京と大阪で計3回開催するほか、
教本を2007年3月15日に発売する。また、他の組み込み技術者向け資格である、
組込みシステム協会(JASA)の「ETEC」やトロン協会の「iTRON」とも連携し、
国内の組み込み技術者向け資格制度を整備していくという。
なお、両者の提携強化を目的に、OMGがUML研究所に出資することも合わせて発表された。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0612/13/news123.html