背景
麻生太郎 真昼の決闘
http://www.nomusan.com/~essay/jubilus2006/07/asotaro-highnoon.html 平成15年12月9日
麻生総務大臣 「太友会フォーラムでの講演」
於:国際文化会館
http://www.aso-taro.jp/kouen/index1.html (↑リンク切れ)
講 演
(前略)
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それでどういうことになるかというと、アメリカとどう付き合うかを考えなければいけない。私は今、これが日本の外交にとって最大の問題だと思います。
私たちが審判になれる可能性はほぼない。審判になり得る可能性があるのはイギリスくらいなものでしょう。
イギリスやオーストラリアというアングロサクソンは審判になれるかもしれません。徳川時代でいえば譜代大名になるというのもあるけれども、
日本は60年くらい前まで戦争をしていたんだから、譜代になんかなるはずはありません。所詮外様大名で終わりです。
しかし江戸時代、外様で栄えた藩もある。加賀前田藩百万石や藤堂藩三十二万石は皆外様だったけれども、全部徳川家とうまいことをやるわけです。
うまいことをやって、少なくとも前田家、藤堂家はそれぞれちゃんと名前を残してこれた。やはり日本は外様のええところを狙わないといけません。
このやり方が最も難しいところです。おいしいことばかり、いいことばかり言ってすり寄ったらやられてしまうから、やはりこちらはきちんと持つべきものを持って、
日本とはちゃんと仲良くしないといけない、日本とはそこそこうまいことをやっておかないといけないと思わせる手口がなければいけません 。
これがこの日本という国に課せられたこれからの外交としては、最大の課題だと思います。
やはりアメリカにとって頭の痛いところは、何と言っても日本のお隣の中国への対応です。
中国と対抗できる経済力はやはり日本だと思わせておくためには、経済力、技術力は今後とも断固として維持させねばならないところだと思います。
そのためには、政府としてやれるべきところはやる。
科学技術に対する支援は徹底してやりますというので、政府は強力な援助を始めました。
トロン(TRON)
などというものもその1つなんでしょうけれども、坂村健さんという教授(当時東大助手)が考えだしたトロン(TRON)の電子タグみたいなものがあります。
点みたいなものですけれども、その点1枚を海外に行く時に張っておく、荷物札に張っておくわけです。
本人はニューヨーク乗り換えでサンパウロに行ったけれども、荷物だけはデュッセルドルフに行ったなんていうことがあったら、この荷物を探すのに大騒ぎですわ。
ところが、この小さなタグができたおかげで、その荷物が今、デュッセルドルフにあると直ちにわかる。
これは電子タグというのですが、そういったものが出てきたわけです。
また、これを薬の瓶にそれが1個張ってあれば、老人がそれを読み取り機を通してみると、
その薬はもう賞味期限が切れているとか、風邪薬だとか、何と一緒に飲んではいけないとか、
全部大きく画面に出てくる。そういったようなものまで、トロンという電子タグで代表されるようなシステムが出てきました。
トロン(TRON)のグループは1回ビル・ゲイツ(マイクロソフトと米国政府)に潰されたんですけれども、
若い40代の研究者がそのまま東大に残って頑張って、
Iトロン(ITRON)とか、
Bトロン(BTRON)とか
いろいろなものを作り上げたわけです。
今いろいろなモパイルフォンの中の7割くらいは、そのトロン(ITRON)というシステムを使っているはずです。