背景
麻生太郎事務所 講演録
http://www.aso-taro.jp/kouen/index1.html 科学技術に対する支援は徹底してやりますというので、政府は強力な援助を始めました。
トロンなどというものもその1つなんでしょうけれども、坂村さんという教授が考えだした
トロンの電子タグみたいなものがあります。点みたいなものですけれども、
その点1枚を海外に行く時に張って おく、荷物札に張っておくわけです。
本人はニュー ヨーク乗り換えでサンパウロに行ったけれども、
荷物だけはデュッセルドルフに行ったなんていうこと があったら、
この荷物を探すのに大騒ぎですわ。ところが、この小さなタグができたおかげで、
その荷物が今、デュッセルドルフにあると直ちにわかる。
これは電子タグというのですが、そういったものが 出てきたわけです。
また、これを薬の瓶にそれが1個張ってあれば、老人がそれを読み取り機を通してみると、
その薬はもう賞味期限が切れているとか、風邪薬だとか、何 と一緒に飲んではいけないとか、
全部大きく画面に出てくる。そういったようなものまで、
トロンとい う電子タグで代表されるようなシステムが出てきま した。
トロンのグループは1回ビル・ゲイツに潰されたんですけれども、
若い40代の研究者がそのまま東大に残って頑張って、
Iトロンとか、Bトロンとかい ろいろなものを作り上げたわけです。
今いろいろな モパイルフォンの中の7割くらいは、
そのトロンと いうシステムを使っているはずです。
この間ビル・ゲイツが来日して私と飯を食べたい と言ってきました。
この人とは3回くらい飯をご一 緒したけれども、面白くない人だし、あまり飯はう まくもないし、
こっちは会いたくない。どうしても 会いたいというので、会いたいならこっちへ来い、
飯は御馳走されるほど貧乏していないからいらな い、自民党本部にくれば
うまいカレーライスを御馳走してやると、嘘八百を言って連れてきました。
ビ ル・ゲイツは国会議員と役人を集めている前で、
マイクロソフトのものをどうしても使ってもらいた い、
日本が行政手続オンライン化になったものですから、自分たちのシステムを使えというわけです。
それなのであなたのシステムを説明してくれといったら、彼は興奮して延々とやったわけですが、
そこで一斉に参加者から質問が出たわけです。あまり のそのレベルの高さに驚いて、
「あなたたちは本当に国会議員か」と聞いたほどです。
そのくらい自民党にはすごいのがいるんですが、
その共通点はITは強いけれども選挙には弱いというものです。
選挙に強い方というのは総じてITの話はまったく駄目で、
当選8回だ、60歳だなんていうのはもう全然駄目なんです。
でも、若い連中はどんどん質問するので、彼は興奮してもう1回やらせてくれと言った。
その時、坂村教授とトロンを見に行くわけですが、
本当にその場でひざをついて彼は
組ませてくれ
と言うんです。
これは10年前自分が圧力をかけて潰した会社だけれども、
それがずっと地下で潜って、10年たって出てきた時には、ICタグをぶら下げて出てきた。
気がついてみたら、こんなものは今さら自分で開発するよりは組んだほうがいい。
組みたいというけれども、マイクロソフトの真ん中のところは
ブ ラックボックスになって見せないようになっている。
それを開けるのが条件だと
坂村教授をして言わせると、
ビル・ゲイッは「開けます、だから組ませ てくれ」と言うわけです。