□テーラーメード医療に結びつく可能性がある新しいタイプのヒト遺伝子マップを開発〜エモリー大学[08/11/2006]
エモリー大学の科学者チームが、いずれ画期的なテーラーメード医療に
結びつく可能性がある新しいタイプのヒト遺伝子マップを開発した。
ヒトゲノム計画(Human Genome Project)におけるヒトゲノムの解読が2003年に完了し、
人がもつ遺伝情報のほとんどが同じ構成になっていることが分かっている。それによると、
遺伝情報の99%は誰もが同じで、残る1%の違いが、外見や寿命、薬の効果、病気に対する
抵抗力などの個体差を決定付けているとされている。
エモリー大学医学部の科学者らは米国時間8月10日、人間の遺伝子の配列に起きる40万件の
挿入や欠失(INDEL)をマッピングした結果、残る1%の遺伝情報についてさらに詳しいことが分かった
と発表している。自然発生的に出現する遺伝情報のバリエーションが40万件明らかにされたことにより、
人間の個体差に関する研究がさらに進む可能性が出てきた。
エモリー大学の生物化学助教授で、今回の研究では7人の科学者で構成されるチームを率いた
Scott Devine氏は「遺伝的変異について研究すれば、人の将来の健康状態を予測できるようになる。
遺伝子研究の目標はこれだ」と述べている。
(中略)
数年前にHapMap Consortiumという国際研究チームが、SNP(Single Nucleotide Polymorphism:1塩基多型)を
解析した最初のマップを作成している。
SNPとは、遺伝情報の塩基配列のうち、1カ所だけ他の人と違っているところのこと。塩基には、 アデニン(A)、
グアニン(G)、 シトシン(C)、 チミン(T)の4種類がある(人間のDNAには、人の場合、23対の染色体を構成している
約30億塩基対の配列は、A、G、C、Tの組み合わせで構成され、鎖状につながっている)。SNPとは、A、T、C、Gが
A、A、C、Gになっているというように、配列が1カ所違っていることを指し、これが個体差を生じさせている)
対照的に、INDELとは何百もの構成要素が挿入されていたり、欠失していたりすることを指す。
Devine氏は、「ゲノムが説明書だとすると、SNPは説明の内容がスペルミスなどで1文字だけ違うような状態だ。
一方のINDELの方は、単語や文章が追加されていたり、削除されていたりする状態だ」と語っている。
Devine氏は、「ゲノムが説明書だとすると、SNPは説明の内容がスペルミスなどで1文字だけ違うような状態だ。
一方のINDELの方は、単語や文章が追加されていたり、削除されていたりする状態だ」と語っている。
Devine氏のチームは、2年前に始まったこのプロジェクトで、36人の人間の遺伝子データをまとめたものからINDELを
探し出すコンピュータベースのアルゴリズムを開発した。
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20199187,00.htm (引用元配信記事)
ニュース - CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/ [08/11/2006] (配信)