7月の豪雨災害の後、諏訪湖水の窒素量が豪雨前に比べて約40倍に増えたことが2日、
信大山岳科学総合研究所山地水域環境保全学部門(諏訪市)の定期水質調査で分かった。
窒素濃度の高い大量の泥水が流れ込んだためとみられる。同部門は、富栄養化によって
湖を緑色に覆うアオコが増える可能性があると予測している。
調査は豪雨前の7月11日と豪雨後の同27日に実施。1リットルの湖水に溶けた窒素量は
11日が0・03ミリグラムだったのに対し、27日は1・19ミリグラムに急増した。同部門の
宮原裕一助教授は「豪雨であふれ出た下水や、森林や農地に蓄えられていた窒素濃度の高い水が、
河川を通じて諏訪湖に流れ込んだと考えられる」としている。
宮原助教授によると、湖の透明度は豪雨で植物プランクトンが下流に流されて一時的に
上がったが、今月1日時点の植物プランクトン量は、豪雨前の水準より少ないものの
7月27日時点の約2倍に急増中だ。
水中の窒素は植物プランクトンの栄養になっており、アオコの発生にかかわっている物質の1つ。
水質浄化に取り組む県諏訪湖事務所は現在、農地から窒素が湖へ流れ込むのを防ぐ対策を
試みている。豪雨で流れ込んだ大量のヨシも放置すると窒素を出すため、除去を急いでいる。
http://www.shinmai.co.jp/news/20060803/KT060802ATI090006000022.htm