>>76 ぐぐって調べてみたけどこんな感じの話らしい
真面目に全部潰していくとそれなりの量になるのかもね
ttp://otdi1.jbbs.livedoor.jp/essayKI/bbs_plain?base=392&range=1 から一部抜粋
>この論文のアイデア(もちろん細かい数学は私には現段階では理解できないが)は、非常に”物理的”であること
>に驚いたのである。だから、私にはむしろ非常に理解しやすかったのである。むしろ数学者には理解しにくかった
>のかも知れない。
>
>基本アイデアはこうである。
>
>「ポアンカレ予想」の主張は、3球面(これは4つの複素数x, y, z, wを使って|x|^2+|y|^2+|z|^2+|w|^2=1で
>表される)が3次元多様体の中で一番単純なものである、ということである。だから、もし任意の3次元多様体
>から出発してこれをどんどん変型していけば、結局はもっとも単純な3次元多様体である3球面に行き着くはず
>である、というアイデアである。これを最初に考え出したのはリチャード・ハミルトンという人であるらしい。
>
>たとえば、2球面(円周)を考えてみよう。そして円周と同相のもっと複雑な図形があるとする。もしそれをゴム
>で作ったと考えれば、ゴムを放せばゴムの張力によってどんどん変型して一番安定な形、すなわち円形に戻る。
>これの3次元版を考えたと言うわけである。
>
>この時のゴムの張力によってどんどん図形が変型して行く様を数学的には『リッチフロー』といい、これを表す
>方程式を『リッチフロー方程式』と呼ぶらしい。これは計量テンソルg_{ij}の時間微分が曲率Rに比例するという
>方程式(dg_{ij}/dt = -2R_{ij})である。簡単に言えば、曲がっているところほど変型が早い、ということである。
>ゴムの話で考えれば、なるほどそうである。
>
>さて、ここで物理のアイデアに話は飛ぶ。イリヤ・プリゴジン博士の有名な本『存在から発展へ』(みすず書房)
>によれば、ある種の”フロー方程式”がある場合(これは例えば、ハミルトンフローやリュービルフローなど何でも
>良いが)、リャプノフ関数というものを定義できれば、そのフローの行き着く先が安定かどうか必ず判定できると
>いう話がある。物理のリュービルフローの場合のリャプノフ関数が、いわゆるエントロピーと呼ばれるものである。
>
>これが有名な『エントロピーは増大する』という言葉の数学的な意味であり、これを『熱力学の第二法則』と物理
>では呼んでいる。自然界のエントロピーはかならずどんな場合でも増大する。そしてこれが自然界の『不可逆過程』
>のルーツなのである、というのが我々物理学者の理解している世界観である。
>
>そこで、同様に『リッチフロー方程式』の場合にも一種の『リャプノフ関数』が定義できるのではないか。それに
>よってこの『リッチフロー方程式』の行き着く先が安定であることが示せるのだ、というのが、ペレルマン博士の
>アイデアのようである。
>
>そこで博士は『リッチフロー方程式』に対する一種のエントロピー関数(リャプノフ関数)を定義したのである。
>つまり、これは図形の持つエントロピーである(もっともこの場合には、”複雑なものからもっとも単純なものに
>行き着く”ということのために、”負”のエントロピーである)。そしてこの流れは一種の『不可逆過程』であり、
>必ず最後にはもっとも安定な図形に行き着く。これこそ3球面である、というのが、どうやらペレルマン博士の証明
>の意味であるようである。そう、私は理解したのである。