★ウイルスを利用した極小電池を開発中 MIT研究者グループ
[ワシントン 7日 ロイター] ウイルスを利用して電池を作る技術が開発されている。
ウイルスに操作を加えて金属を引きつけさせ、そこで生じたナノワイヤーを極小リチウム
イオン電池の電極に利用する。これは非常に小さな機械の動力として期待できるそうだ。
マサチューセッツ工科大学の研究者グループが『サイエンス』誌に発表した。
実験には単純で操作の簡単なM13ウイルスが使用された。研究者は、
「我々は室温でコバルト酸化物のナノワイヤーを集めるウイルスを使用した」と記している。
彼らはM13ウイルスの遺伝子に操作を加え、その外側の層がある特定の金属イオンに
反応して固まるようにした。コバルト酸化物の結晶が同一の長さで鉱物化するよう、
ウイルスは塩化コバルト溶液で培養された。
必要な電気反応を起こすため、少量の金が加えられた。
ウイルスはひとりで繁殖することはないが、細胞のなかで育つ。この場合はバクテリアだ。
ウイルスは己の遺伝物質を注入し、細胞はウイルスのコピーを排出する。
ウイルスは規則的な層を形成し、その結果として生じるナノワイヤーが、
電池の電極として働くそうだ。
研究者たちはこの技術を利用し、現在の補聴器用電池から米粒のサイズまでの
小型電池を作りたいと述べている。
各ウイルス、すなわち一本のナノワイヤーの大きさは、たったの直径6ナノメートル
(1メートルの10億分の6)、長さ880ナノメートルだという。
論文によれば、「我々は以前にも、半導体と磁気ナノワイヤーを組み立てるのに
ウイルスを使用している」とのことだ。
REUTERS
http://www.excite.co.jp/News/odd/00081144664146.html ・Science Magazine
http://www.sciencemag.org/