【生態/動物】ネコエイズウイルスでクーガーの個体数を追跡

ウイルスでクーガーの個体数を追跡

　北米西部に生息するクーガーの個体数は狩猟により減少した。今回、個体数の回復状況
を追跡調査するにあたりウイルスが使われた。同研究は、進化速度の遅い哺乳類宿主に感
染する進化速度の速い病原菌を、個体数の変化追跡にどのように利用できるかを示す具体
的な例である。このようなアイデアについては保護論者と科学者の間で長年にわたり議論
されており、実際に試す理想的な状況が待ち望まれていた。

　Roman Biekらはクーガーの狩猟禁止以降、その個体数がいつ、どこで回復し始めたかを
特定するための「標識」として、ネコ科の免疫不全ウイルスを使用した。研究者らはモンタナ
州、ワイオミング州、ブリティッシュコロンビア州、アルバータ州に生息するクーガー352頭か
らウイルス（ネコを冒さないと思われる）のサンプルを採取し、遺伝学的分析を行った。

　その結果、8つの主要株が個別に進化し始めたのはわずか数十年前に過ぎず、個体数が
劇的に減少し地理的に分離された個体群と一致している可能性が示唆された。クーガー遺伝
子の進化速度はこのような短期間で変化を捉えるにはあまりに遅い。したがって、より早く
進化するウイルスは宿主であるクーガーの急速な個体数の変化をモニターするのに理想
的と言える。

Science Highlight 2006年 1月 27日（金）
http://www.sciencemag.jp/highlights/20060127/index.html#3

ウイルスによって宿主である肉食動物の集団構造と最近の統計学的動態が明らかになる
Roman Biek, Alexei J. Drummond, and Mary Poss
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/311/5760/538

関連ニュース
ヒトの行動パターンをドル紙幣の動きから探り疫学に活かす 2006/01/29
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1138461544/
【感染症】渡りのルートを人工衛星で追跡　鳥インフルエンザ対策で 2005/10/27
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1130406377/l50
【生態】霊長類と3,000万年以上にわたって共種分化してきたRNAウイルス、サルフォーミイウイルス（SFV） 2005/03/24
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1111594271/l50

これは大変だー

うちの庭に来る猫の個体数は現在11匹

クーガーと言えばワシントン州立大学

BCLだろ。