パーソナルメディアは,
Eclipseを基にしたT-Engine向けの統合開発環境を,
2005年12月14日から開催中のTRON関連の展示会
「TRONSHOW 2006」で参考出展した。
従来,T-Engine向けの開発環境やデバッガは
GNU関連のツールを基にしたキャラクタ・ベースのものが主流であり,
GUIベースのものは,イーソルや京都マイクロコンピュータが手掛けている程度だった。
T-Engineプラットフォームの旗振り役であるパーソナルメディアが,
いよいよGUIベースのツールを投入することで,
T-Engineでも開発環境が整備されていきそうだ。
2006年中に発売する計画だが,
T-Engine開発キットに標準添付するかどうかなど,販売形態の詳細は未定である。
Eclipseはエンタープライズ系のJavaアプリケーション開発を目的にした
オープンソースの統合開発環境のフレームワークだが,
ここ1年で組み込み分野でも広がりつつある(Tech-On!関連記事)。
http://techon.nikkeibp.co.jp/members/NEWS/20040707/104369/ 米Wind River System, Inc.や米MontaVista Software, Inc.,米Mentor Graphics Corp.,
カナダQNX Software Systems Co.など,
組み込みOSや組み込み開発ツールの大手がこぞって,
Eclipseを組み込み向けに改変して発売してきた(日経エレクトロニクス関連記事)。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI_LEAF/20050615/105810/ T-Engine/T-Kernel向けでは,富士通の「WideStudio/MWT」があるくらいだが,
パーソナルメディアの参入でEclipseの波がT-Engineでも本格化したといえる。
今回参考出品したツールは,アプリケーション・ソフトウエアの開発/デバッグ向けであり,
デバイス・ドライバやOS本体のデバッグには対応していない。
これらの機能は2006年中に実装する予定という。
実行中の変数の値などのデバッグ情報は,
ターゲット上で動作するT-Monitorを介してGUI上に表示可能である。
ターゲットであるT-Engineボードとは,シリアル通信およびEthernetで接続する。
シリアル通信はホストのUSB信号をアダプタでRS-232Cに変換した上で,T-Engineボードに接続する。
クロス・コンパイルした後のオブジェクト・コードは,
Ethernet経由の場合はFTPによってターゲットに送る。
■TRONSHOW 2006の特設ページはこちら
http://techon.nikkeibp.co.jp/NEWS/tronshow2006/ 進藤 智則=日経エレクトロニクス
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051214/111635/