Tokyo, (JCN) - 独立行政法人情報通信研究機構(以下NICT)では、
研究成果の産業界への普及を推進しており、
今回、脳機能研究における研究成果の技術移転を行った。
技術移転の対象は、被験者への刺激呈示装置と、
刺激に対する被験者の脳活動を計測するfMRIなどの脳機能測定装置
との同期制御を行うことのできる「脳活動制御装置」。
特許は、竹田理化工業(株)にライセンスされ、同社により商品化、販売を開始する予定。
背 景
脳の活動を計測する場合、視覚や聴覚、触覚などに刺激を与え、
この反応を脳磁図(MEG:注1)、機能的磁気共鳴イメージング(fMRI:注2)、
近赤外分光イメージング(NIRS:注3)などの計測装置を用いてデータを取得する。
しかしこれまでは、刺激を与える装置と、脳活動を計測する装置
とが別々で同期がとれていなかったため、正確な脳活動を計測することが出来なかった。
今回、NICT基礎先端部門脳機能研究グループは、
刺激呈示装置からの情報の出力と、その刺激に対する脳機能信号の取得の同期制御を
可能にする「脳活動計測制御装置」を開発した。それにより、刺激と脳の反応の
時間的なずれを、脳活動計測において無視することができるミリ秒精度までおさえることに成功した。
成 果
NICTでは、研究成果の産業界への普及の一環として、
今回、脳機能研究における研究成果である「脳活動計測制御装置」についての
技術移転を竹田理化工業(株)に行い、同社より商品化、販売を開始することになった。
脳機能研究において正確な測定が実現できるこの脳活動計測制御装置は、
脳機能研究の推進に大きく貢献できるとともに、医療分野での普及が期待されている。
用語解説
>>2 http://www.japancorp.net/japan/Article.Asp?Art_ID=30141