【理論物理】新規複合型速中性子スペクトロメータの開発

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1CTRONφ ★:2005/12/02(金) 16:22:03 ID:???
副題:高いエネルギー分解能で速中性子スペクトル測定を実現

サマリ
3つの位置敏感型比例計数管(PSPC)と
2つの表面障壁型シリコン半導体検出器(SSD)
からなる複合型の速中性子スペクトロメータを開発した。

このスペクトロメータによって、反跳陽子の
エネルギーと反跳角の高精度な同時測定が可能になり、
その結果、5MeV単色中性子に対して1.7%の高分解能スペクトル測定に成功した。

本文
■中性子のエネルギー分布の必要性
 中性子は、エネルギー毎に原子炉開発、核融合炉開発、医療照射、薬品開発
など様々な用途があり、物質との反応過程も大きく異なる。
速中性子(100keV〜15MeV)は、主に核融合炉開発で利用され、
そのエネルギー分布(スペクトル)の高分解能測定は、
核融合炉における核燃焼プラズマ診断で必要な技術である。

 当研究室では、中性子の様々な産業利用に対応するために
単色中性子フルエンス標準の維持、供給を行っている。
単色中性子標準場では、中性子検出器や線量計へフルエンス
(単位面積あたりを通過する中性子数)を与える校正の際に、
目的以外のエネルギーを持つ中性子の量を知る必要がある。
単色中性子は、加速器からの荷電粒子との核反応によって発生させるが、
特に速中性子の場合には、照射室内の構造体との散乱による減速や
中性子生成の競合反応によって、目的外のエネルギーを持つ中性子が
混在する場合が多いので、標準の信頼性向上のために
中性子標準場においても高分解能中性子スペクトルの測定は重要である。

>>2

■今後の展開

 近年、航空機乗務員の宇宙線に起因する中性子による被曝や、
医療施設などで導入されている大型線形加速器から発生する中性子の線量評価
の問題などで、15MeV以上の高エネルギー中性子が重要視されている。
そこで産総研では、高エネルギー領域の中性子標準の整備を行っている。
この中性子スペクトロメータについて、さらなる研究を積み重ね、
高エネルギー中性子にも対応できる技術を確立するとともに、
実際にそれを中性子の標準システムに組み込むことを目指している。

http://www.aist.go.jp/aist_j/aistinfo/aist_today/vol05_12/p22.html
2名無しのひみつ:2005/12/02(金) 16:23:55 ID:msfwmdQp
久々の2
3名無しのひみつ:2005/12/02(金) 16:24:05 ID:FL7HPnTv
スカトロリータ?
4CTRONφ ★:2005/12/02(金) 16:24:07 ID:???
■測定の問題点

 中性子の計測は過去に多くの方法が開発されているが、
中性子と反応しやすい物質(コンバータ)と、
反応によって生成した2次荷電粒子を測定する検出器を組み合わせることが多い。
コンバータとして水素を含む物質を利用し、中性子と水素原子核との
弾性散乱によって生成される反跳陽子を観測する反跳陽子法が広く利用されている。

 反跳陽子法は、原理的には反跳陽子のエネルギーと入射中性子軸に対する
飛行方向(反跳角)から中性子エネルギーを決定するが、
高分解能スペクトル測定に際しては2つの問題点がある。
1つは、検出器は必ず有限の大きさを持つので、反跳角が広がりを持ち
エネルギー分解能を悪くしていること、
もう1つは、コンバータとしてポリエチレン薄膜のような固体薄膜を用いた場合に、
薄膜内での反跳陽子のエネルギー損失がエネルギー分解能を悪くするという点である。

 我々は、今回スペクトロメータに荷電粒子の位置情報を検出できる
位置敏感型比例計数管(PSPC)を利用し、PSPC自身をコンバータとすることで、
エネルギー分解能に関する問題点を解決した。

■新規複合型速中性子スペクトロメータ

 新規複合型速中性子スペクトロメータは、PSPCと高分解能が得られる
表面障壁型シリコン半導体検出器(SSD)を組み合わせた構成になっている1)、2)。
図1に示すように複数のPSPCを並べることにより
反跳陽子エネルギーと反跳角を同時に測定することが可能になった。
チェンバー全体には荷電粒子計数用のメタンガスが充填されているが、
これは同時に水素原子を利用したコンバータとしての役割も果たしている。
その結果、反跳陽子エネルギーを損失せずに検出することが可能になった。
スペクトロメータ前面には、鉛とポリエチレンで構成されるコリメータを設置して、
中性子の入射方向を1方向に限定している。SSDは、中性子が直射する部分を避けて、
中性子による放射線損傷を防ぐ配置にした。

 5.0MeV単色中性子標準場で実際にスペクトル測定を行ったところ、
スペクトロメータ内部での反跳陽子の位置情報がはっきりとわかり、
1.7%という高いエネルギー分解能を得ることに成功した(図2、図3)。
エネルギー分解能は、反跳陽子法を用いた従来のスペクトロメータよりも飛躍的に改善された。
5名無しのひみつ:2005/12/02(金) 16:25:47 ID:gDrYVKsq
スペクトルマンなら知ってるが・・・
6名無しのひみつ:2005/12/02(金) 17:52:30 ID:umdTjCEO
具体的にどこがどう理論物理なのか教えてくれ>1
7名無しのひみつ
スピロヘータなら知ってるが・・・