米ミズーリ州セントルイス(AP) オスの小鳥が求愛行動として「歌」のような鳴き声を発するように、
オスのマウスもメスに反応してラブソングを歌っているとの説を、米ワシントン大の研究チームが
発表した。人間の耳では聞き取れない高周波の音声を低くして再生したところ、一定のパターンが
あることなどが分かったという。
これまでの研究で、オスのマウスが高周波の音を出すことは広く知られてたが、その詳細は明らかに
なっていなかった。同大医学部のティモシー・ホーリー助教授らはこの音声を分析し、小鳥によく似た
「歌声」になっているとの結論に達した。研究の成果はこのほど、生物学専門誌の電子版に発表された。
ホーリー氏によると、チームはメスが放出する化学物質にオスの脳がどう反応するかを研究。オスが
発する音声は当初、コンピューター上で画像に変換していたが、これをテープに録音し、4オクターブ
下げて再生してみたところ、単なる音の羅列ではなく、(1)音節がはっきり分かれている(2)同じ
パターンが繰り返し現れる――など、歌としての要件を満たしていることが明らかになったという。
「予想外の結果にわれわれも驚き、喜んでいる」と、ホーリー氏は語る。
異性に向けて歌声を発する動物としては、小鳥をはじめザトウクジラ、イルカ、昆虫などが挙げられる。
小鳥が歌を学習したり、聞き取ったりする仕組みは、人間のコミュニケーション能力をめぐる研究にも
深いかかわりがあるとされ、多くの科学者たちが解明に取り組んできた。ホーリー氏らの説が立証され
れば、実験室での扱いが容易なマウスでさらにこうした研究が進むとみられ、コミュニケーション障害
などの治療にもつながることが期待される。
CNN.co.jp
2005.11.06 12:34 JST
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200511060002.html