京都市は2日、家庭から排出された生ごみと廃食用油から、燃料電池に
使われる水素ガスを生成させる全国初の実証研究を始めると発表した。
5年後に実用可能レベルを達成し、13年に建設予定の専用施設での発電
開始を目指す。
市は地球温暖化防止を定めた「京都議定書」発祥の地として環境政策に
力を入れ、今年4月には全国初の地球温暖化対策条例を施行した。昨年
からは廃食用油をバイオディーゼル燃料化し、市バスやごみ収集車などに利
用している。
研究は7日から。同市西京区の家庭ごみ3トン(収集車2台分相当)を週
4日収集し、生ごみを選別。同市伏見区の研究施設で発酵させる。また廃
食用油を燃料化する際にできるグリセリンを発酵させ、生ごみと同様にメタンガ
スなどのバイオガスを生成。これを京都大と国立環境研究所が水素ガスに変
換する。家庭ごみ3トン、グリセリン1000リットルからそれぞれ水素ガス500〜
600立方メートルができるという。
ごみの選別や生成量の安定などを研究し、燃料電池を実用化できれば、
1日に約1000キロワット時(一般家庭約60世帯が1日に消費する電力量)
を発電できるという。今年度の事業費は約1億5000万円。市は「焼却ごみ
の減量と温室効果ガス排出量の削減へつなげたい」としている。【中野彩子】
毎日新聞 2005年11月3日 10時41分
ソース
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20051103k0000e040011000c.html