寿命の長さのバロメーターとされる染色体末端部の長さは、
父親から子に遺伝し、母親からは遺伝しない可能性があることが分
かった。スウェーデン・ウメオ大の研究チームが2日までに、
同国の49家族を対象に分析した成果を米科学アカデミー紀要の電子
版に発表した。原因はまだ分からないという。
人間の遺伝情報を担うDNAは、24種類の染色体ごとにコンパクト
に折り畳まれ、小さな細胞核に収納されている。この染色体の末端
部「テロメア」の長さは、細胞が分裂を重ねるごとに短くなり、
限界まで短くなると細胞が死ぬため、寿命を決める遺伝要因の一つ
とされる。
一般に女性が男性に比べて長生きするのも、女性の方がテロメア
が短くなりにくいためだと考えられている。
研究チームは、49家族の計132人について、血液の単球細胞のテ
ロメアの長さを分析。その結果、男性の平均テロメア減少率は年間
25塩基対、女性は同16塩基対であり、定説が裏付けられた。
さらに、父、母、息子、娘の4グループに分け、親子間のテロメ
ア減少率の相関関係を調べると、父と息子や娘との間には統計的
に強い関係があったが、母と息子や娘とは関係がなかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051102-00000015-jij-int