静岡大工学部の佐古猛教授(53)=化学工学=の研究室と廃棄物処理業の
藤村通商(愛知県一宮市)が、コンビニ弁当などを容器ごと粉末燃料化する装置を共同開発した。
プラスチックや生ごみを分別せずに済む上、有害物質を出さない利点もあり、
関連技術を19日に特許申請済み。本年度末ごろの発売を目指す。
コンビニ弁当、スーパーの総菜などは廃棄率が高く、処理に頭を悩ます業者は多い。
焼却では水分を多く含んでいるため燃えにくく、堆肥(たいひ)にするにもプラスチックとの分別が
必要な上、塩分の多さも難点だった。
共同開発は藤村通商が今年1月、生ごみを安定的に燃料化する方法を佐古教授に
調査依頼したのがきっかけ。
佐古教授の指導で同社が試作したのが直径50センチ、全長約1・5メートルの鉄製円筒形の装置だ。
原料の弁当を容器ごと入れ、水分調整や加熱のために水蒸気を送り込み、羽の角度や形状を独自に
設計した攪拌(かくはん)装置で混ぜ合わせることで均一化する。
実験を繰り返した結果、コンビニ弁当を205度、20気圧で、総重量の10−15%程度の水を加え、
約15分にわたって攪拌すると、さらさらの土のような細かい粉末状になるのを確認。
粉末は1キロ当たり約6600キロカロリーの発熱量があり、重油の6−7割程度、
乾燥木材よりも熱量が高いことが分かった。
この試作機なら1回だけで、コンビニ3店が1日に出す程度(約50キロ)の弁当処理が可能。
粉末はボイラー用、発電用などの燃料に使え、装置をコンビニやスーパー、社員食堂などに
備え付ける方式が想定される。
既に全国の大手企業や自治体などから数十台に上る引き合いがあり、テスト使用している例もあるという。
浜松市内のホテルで21日に開かれる「大学発産学官連携フォーラム」で発表する。
コンビニ弁当以外でも、処理条件を変更していけば多種多様な有機廃棄物が燃料化できるとみられ、
今後も共同研究を継続していく方針。
ソース:
弁当容器と生ごみ一緒に粉末燃料化 佐古・静大教授ら装置開発 - 中日新聞
ttp://www.chunichi.co.jp/00/thk/20051021/ftu_____thk_____000.shtml