タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、目的タンパク質のみを大腸菌で効率よく発現
できるタンパク質発現システム(SPPシステム :Single Protein Production System, シングル
プロテイン プロダクション システム)の関連製品を10月19日より発売します。
SPPシステムは、メッセンジャーRNAを配列特異的に切断するRNA干渉酵素の作用を利用して、
大腸菌内で目的タンパク質のみを効率よく発現させる新規な技術です。当技術は、米国ニュー
ジャージー医科歯科大学(UMDNJ)の井上正順博士と当社が共同開発しました。当社はSPP
システムに関する世界の独占的実施権を保有しています。
今回発売を開始するSPP システムは、メッセンジャーRNA中のACA配列を認識して切断する
RNA干渉酵素であるMazFと、当社が既に発売しているコールドショック発現システムを組み合
わせたものであり、MazF発現ベクターとSPP システム用に改良されたコールドショックベクター
によって構成されています。ACA配列を除いた目的遺伝子を組み込んだコールドショックベクター
と MazF発現ベクターとを共存させることにより、目的タンパク質のみが大量に発現されます。
本システムを利用すれば、夾雑タンパク質の発現を抑えることができるため、微量しか得られ
ない有用タンパク質の大量調製や高純度な有用タンパク質の生産に利用することが可能です。
また、本システムを利用して対象タンパク質を安定同位体で標識すると目的タンパク質のみが
標識されるため、精製過程を省略して NMRによる構造解析を行うことが可能であり、現在最も
盛んな研究分野のひとつであるタンパク質の高次構造解析に大きく貢献することが期待されます。
(以下略)
ソース:タカラバイオニュースリリース
http://www.takara-bio.co.jp/news/2005/10/19.htm