新型鳥インフルエンザの大流行に備え、世界各国が備蓄を進めている
インフルエンザ治療薬「リン酸オセルタミビル」(商品名タミフル)に耐性を
示す毒性の強い鳥インフルエンザウイルスが、ベトナムで見つかった。
研究チームの河岡義裕・東京大医科学研究所教授は「耐性ウイルスが
できるのは避けられないことだ。タミフルだけでなく他の抗ウイルス薬の備蓄も
検討する必要がある」と指摘している。20日付の英科学誌ネイチャーに
掲載される。
耐性ウイルスは2月に発症したベトナムの少女(14)から見つかった。
微熱が出たため予防的にタミフルを通常の半分量飲んだが、4日目に
せきを伴う39度の発熱があった。この時に少女から採取したウイルスを
調べると、6割が強い耐性を示すH5N1型であることが分かった。少女は
3月に回復したが、この型は毒性が強く、アジアで死者も出ている。
一方、研究チームによるフェレットを使った動物実験では、抗ウイルス薬
「ザナミビル」(商品名リレンザ)はタミフルの耐性ウイルスにも効果があることが
分かった。【下桐実雅子】
毎日新聞 2005年10月19日 19時12分
ソース
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20051020k0000m040044000c.html