植物 : 植物ホルモン、ジベレリンの受容体候補が見つかる
植物ホルモンのジベレリンは植物の発芽や茎の伸長、花の発達で重要な役割を果たして
いる。しかしこれまで、この重要なホルモンの受容体は単離されていなかった。
松岡信たちは今回、イネのGID1遺伝子がこのホルモンの受容体と思われる、未知の可溶
性タンパク質をコードしていることを実証した。
松岡たちは、実を結ぶ花を作ることができないなどの異常を有するイネの変異系統に関
して報告している。他系統のイネのDNAとの比較により、GID1遺伝子の異常がジベレリン
感知能力を失わせることが明らかになった。さらに、この遺伝子産物を過剰に作らせると
植物がひょろ長く徒長することが示され、これはジベレリンに対する過敏性から予想される
とおりの結果であった。初の可溶性ジベレリン受容体の存在をはっきり示すこの研究結果
はNature2005年9月29日号に掲載されている。
News and ViewsでD BonettaとP McCourtは「この研究の成果により植物ホルモンに関する
議論が進展するばかりでなく、ジベレリンのシグナル伝達に関する分子レベルの理解が深
まることで新たな緑の革命、つまり品種改良による穀物の大増産が可能になるかもしれない」
と述べている。
Nature Highlight September 29, 2005
http://www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?id=1124&issue=7059 植物:GIBBERELLIN INSENSITIVE DWARF1はジベレリンの可溶性受容体をコードしている
Miyako Ueguchi-Tanaka, Motoyuki Ashikari, Masatoshi Nakajima, Hironori Itoh, Etsuko Katoh, Masatomo Kobayashi,
Teh-yuan Chow, Yue-ie C. Hsing, Hidemi Kitano, Isomaro Yamaguchiand Makoto Matsuoka
Nature 437, 693-698 (29 September 2005) | doi: 10.1038/nature04028
http://www.nature.com/nature/journal/v437/n7059/abs/nature04028.html News and Views: 植物科学:ジベレリンの受容体
Dario Bonetta and Peter McCourt
http://www.nature.com/nature/journal/v437/n7059/full/437627a.html 名古屋大学生物機能開発利用研究センター 植物分子育種分野
http://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~naikan/index.html 関連スレ:
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