米国医学誌「New England Journal of Medicine」9月9日号掲載の研究では、一般的に処方される抗生物質の
エリスロマイシンに致死性の心拍リズム異常を引き起こす可能性があり、抗うつ薬、抗真菌薬、心疾患治療薬など
と併用した場合には、さらにリスクが高まることが判明した。
研究者らが米テネシー州のメディケイド(低所得者・障害者向け医療扶助制度)記録を調べたところ、
心臓突然死リスクは、エリスロマイシン服用者で薬剤を全く服用していない人の2倍、同薬の代謝を促進する
体内物質CYP3Aを阻害する薬剤(経口抗真菌薬、抗うつ薬、Ca拮抗薬)との併用者では5倍高まっていた。
しかし、心臓突然死と別の抗生物質であるアモキシリンまたはCYP3A阻害薬の単独使用との間に関連性はなかった。
エリスロマイシンには、心拍動の間隔が長すぎるために失神や発作、ひいては心臓突然死につながりかねない
QT間隔延長と称する心障害リスクの上昇が知られている。サニーブルック&ウィメンズカレッジ
保健科学センター(カナダ)のトロント地域老人プログラム責任者Barbara Liu博士は、この希少な障害の
重大性を推測するのは困難であるとし、CYP3A阻害薬との併用を避けるよう勧告している。
米ビューモント病院(ミシガン州)の心拍リズムセンター長David Haines博士によると、QT間隔延長を生じうる
薬剤は多く、また特定の薬剤に対する有害反応に遺伝的な素因を持つ人もいる。
そのため、服用中の薬剤および補助食品を用量も含めてすべて医師に知らせること、薬剤師が危険な
薬物間相互作用を警告できるよう常に同じ薬局で調剤してもらうことが重要となる。
ソース:
(09/17)一般的な抗生物質に致死性の心障害リスク
ttp://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20040917hj000hj - NIKKEI.NET
Common Antibiotic Tied to Rare, Fatal Heart Effect - HealthDay
ttp://www.healthday.com/view.cfm?id=521111 ※公開停止