◇WGが管理計画骨格案
知床の生態系に影響を与えているエゾシカ対策を考えるワーキンググループ(WG)の会合が25日、
札幌市であり、管理計画の骨格案を作成した。世界自然遺産登録地の周辺で、狩猟などによるシカの
個体数調整を行いながら生態系変動を把握するモニタリング調査を実施する考えだ。管理計画は年度
内に骨子をまとめ、来年度中に策定する。
WGは、環境省などの第三者機関でつくる科学委員会の下部組織。この日の会合では、シカを適切に
保護管理するための管理計画について議論し、目的や対象地域、実施期間、基本方針などの方向性を
まとめた。
その結果、遺産地域の保全を目的に、遺産地域とその隣接地に分類して環境を守ることを盛り込んだ。
また、計画は07年度から5年間とした。
さらに、最新の観測や研究成果を踏まえて対策を練ることがシカや生態系の適切な保全につながるとして、
モニタリングを充実させていくことを確認した。
知床半島では、1万頭以上のシカが生息し、ニレの樹皮被害などが深刻化している。シカの駆除を求める
声がある一方で、人が個体数に手を加えることがいいのか議論がある。【田中泰義】
(毎日新聞) - 8月26日16時1分更新
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