【物理/高温超伝導】高温超伝導におけるブレイクスルー

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1canonicalφ ★
【物理/高温超伝導】高温超伝導におけるブレイクスルー

<要旨>
層状になったルテニウム銅酸化物の特異な性質(反強磁性と超伝導性の2相の存在による)から、
高温超伝導体のメカニズムについての洞察が得られた。これにより将来的により高温で使える
超伝導体、さらには室温超伝導体をデザインし作ることが出来る可能性もある。

physorg.comより引用
http://www.physorg.com/news5893.html

ソース全訳は>>2以降

<関連スレッド>
【物理】超伝導物質の電子を世界最高の解像度で観察することに成功=東大など (DAT)
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1109765795/

【物性】プルトニウム化合物の単結晶育成と新規超伝導発生メカニズムの解明に成功=原研 (DAT)
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1119048460/
★磁性と超伝導の関係を示す研究で今回の研究と関連が特に深いと思われるスレッド。

【福井大&民間企業】 高温超電導モーターを開発
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1106304782/
2canonicalφ ★:2005/08/20(土) 03:04:45 ID:???
<ソース全訳>
 アバディーン大学の科学者が高温超伝導のメカニズムについて大きなブレイクスルーを成した。
銅とルテニウムを含む新しい化合物の結晶構造研究の結果、高温超伝導に対する価値ある洞察
を得られた。この新しい結果は初めて高温超伝導のメカニズムが結晶格子と実際に結びついて
いることを示した。

 今週発行のNatureに発表された論文によれば、この新しい発見は20年近くにわたって科学者を
悩ませてきた高温超伝導の理論におけるブレイクスルーを導く非常に刺激的なものだ。

 金属は原子の格子からなっている。電子はそれら原子から解離し、格子の中を動き回ることで
金属を電流の良導体としている。金属中の原子は実際には振動している。格子中を動き回る電子
は、振動する原子に衝突し、結果これが電流を減少させることになる。これは電気抵抗として
知られている。超伝導体は電気抵抗を示さず、それ故に電流の損失を受けずにすむことからその
ように呼ばれている。

 化学科のRSEフェローであるAbbie Mclaughlin博士はこの研究を主導しており、次のように説明
している。「我々は未来の技術で重要になるであろう、魅力的な物理的特性を示す物質の化学に
興味を持ってきた。特に興味を持ってきたのは新しい層になった材料の合成で、ある層では磁性を
示し、またある層では超伝導性をしめすというような興味深い特性を持つものだ。これが出来れば
2つの異なった現象がどのように競合しあうのかが観察でき、それ自体が新しい物理の展望を開く
ものになりうる」

 通常の導体と異なり、超伝導体はゼロ電気抵抗を示す。不幸なことに、超伝導は超低温でしか
観察されていない。現在のところ、超伝導が観測された最高温度は-113℃だ。実用的な応用には、
MRIスキャナの超伝導磁石や磁気浮遊列車などがある。

 -238℃以上の温度で超伝導性を示す化合物は「高温超伝導体」として知られている。高温超伝導
については完全な理論は現在のところ存在しない。しかし、いつか最終的な理論が構築され、より
高い温度――室温の可能性も含めて――で電気抵抗がなくなる新しい超伝導材料をデザインすること
が出来るようになるだろうと考えられている。

 Mclaughlin博士は続けた。「これは高パフォーマンスの電気モーターなど、多すぎるほどの技術
的な可能性を生み出すかもしれない。同時に、消費者に電力を運ぶのに超伝導ケーブルを使って
莫大な電力のロスを減らすことも出来るだろう。今は大量のエネルギーが電気抵抗によって失われ
ている」

 送電ケーブルの電気抵抗によるエネルギー損失は1998年のイギリスでは7.4%に上ると報告されている。

 同時に、Mclaughlin博士らによって開発されたこの新しい化合物――銅とルテニウムを含む酸化物
材料――は、他にもさまざまなな有用な特性を示してもいる。はじめに、低温では負の磁気抵抗と
して知られる現象が観測された。この性質を示す材料は磁気をかけることで非常に大きな電気伝導性
の上昇を見せ、現在ではコンピュータのメモリに使われている。

 低温ではこの新しい物質は負の熱膨張率として知られる特性をも示す。ほとんどの物質は熱せられ
ると膨張するが、この新しい物質の場合にはそうではない。負の熱膨張率は非常に珍しいもので、
エレクトロニクスから歯科医術にわたる領域でその実用を見ることが出来る。

 Mclaughlin博士は付け加えた。「この共同研究プロジェクトは高温超伝導の理論に光を照らすこと
を目的としている。我々はまた、この物質の大きな負の磁気抵抗や負の熱膨張率の後ろに潜むメカ
ニズムについてもさらに研究しようと思っており、願わくば、室温で実際に応用できるような新しい
物質をデザインすることも望んでいる」

 この共同研究プロジェクトには極限状態科学センター(Centre for Science at Extreme Conditions/
CSEC)ならびにエディンバラ大学化学科のPaul Attfield教授と、ケンブリッジ大学化学科のFalak
Sher博士を含む。彼らはそれぞれの独自の材料混合の化学をひとつにまとめ、新しい魅力的な特性を
持つ材料を開発、研究している。

今週のNatureで発表された論文の全文はこちらで。
http://www.nature.com/nature/journal/v436/n7052/abs/nature03828.html
3canonicalφ ★:2005/08/20(土) 03:05:02 ID:???
<リンク先アブスト全訳>
 ルテニウム銅酸化物中の超伝導−反強磁性クロスオーバーからくる負の格子膨張率
  A. C. Mclaughlin, F. Sher and J. P. Attfield

 ドープされた銅酸化物の高転移温度(高Tc)超伝導のメカニズムは困難な問題である。
反強磁性は反対を向く配列として作られるが、2つの状態の間の「擬ギャップ」関係が、
困難の中心となってきた。従来型の超伝導で重要な結晶格子の役割も不透明なままだ。
我々は、反強磁性と超伝導の境界にドープされ層状になったルテニウム銅酸化物において
冷却時の銅酸化物平面間の距離が異様に増大すること、それが負の熱体積膨張となること
を報告する。これらの状態間のクロスオーバーがルテニウム酸化物層のスピン配向によって
引き起こされると提案し、これが固体の負の格子膨張の新しいメカニズムを明らかにする。
反強磁性領域と超伝導領域の間の体積と格子ひずみの変化が、広範な少量ドープされた
銅酸化物で見られる相分離現象を説明でき、またクーパー対形成が格子と結び付けられ
ていることを示す。整列したルテニウムと銅のスピンの間のカップリングを通して、磁場
による異常に大きな電気抵抗の変化がこれらのルテニウム銅酸化物において低温で見られる。
4canonicalφ ★:2005/08/20(土) 03:07:05 ID:???
アブスト誤訳見つけたので訂正します。

本文2行目
×反強磁性は反対を向く配列として作られるが……
○反強磁性は超伝導に競合する配列として作られるが……
5名無しのひみつ:2005/08/20(土) 03:15:33 ID:4PJt+m2U
全部読んだが、なぜ超伝導になるのか教えてくれ
6名無しのひみつ:2005/08/20(土) 03:19:05 ID:HjHLuvLq
常温核融合はどうなったの?
7名無しのひみつ:2005/08/20(土) 03:22:09 ID:QndyOMjD
日本の機関やJRが見つけてくれよ。
リニアモーターカー
8名無しのひみつ:2005/08/20(土) 03:23:38 ID:4PJt+m2U
ドクター中松が実はもう特許をとっていて
スイスイシューズとか作るだろうな
9名無しのひみつ:2005/08/20(土) 03:28:03 ID:pXVSoE5g
イヒ 旭化成
10名無しのひみつ:2005/08/20(土) 03:39:44 ID:5nQNAJsw
>>5
完全な超伝導は低温でしか起こらないけれど、反強磁性とのクロスオーバーで
スピン配向の揺らぎが生じて高温側に状態が染み出すとかそんな感じ?
11名無しのひみつ:2005/08/20(土) 03:40:24 ID:xp4IKy8B
>>6
最早トンデモの彼方へ。
学校の掲示板に貼ってあった常温核融合の壁新聞記事を、目を輝かせて読んでいた少年時代も
今は昔の物語。
はー、せつない。
12名無しのひみつ:2005/08/20(土) 03:47:06 ID:nNBZEM0n
>>11
若い時ってそんなものじゃね
13名無しのひみつ:2005/08/20(土) 03:52:35 ID:q8FRdTiS
BREAKTHROUGH〜新たなる一歩〜
14名無しのひみつ:2005/08/20(土) 04:12:16 ID:4jbyeXeN
2chねらーで何人がこれ理解できるの?

俺?俺は1行すら理解できない
15名無しのひみつ:2005/08/20(土) 04:53:56 ID:YzyxuFt8
室温超伝導って、南極の窓を開けっ放しの部屋の室温くらいか?
16名無しのひみつ:2005/08/20(土) 07:25:45 ID:xnRiUG9N
青学理工の秋光純先生のMgB2はどうなのよ。
今回の発見とどう関係するの?
http://www.agnes.aoyama.ac.jp/cgi-bin/We
17(,,゚д゚)さん:2005/08/20(土) 07:34:56 ID:60ivMaEp
ドライアイスでマイスナー効果が観測できれば
充分高温超伝導だよ、小学校で子供たちに実験して
見せることができる
18名無しのひみつ:2005/08/20(土) 07:37:03 ID:E/Wf1ktI
>16
Not Found
19名無しのひみつ:2005/08/20(土) 08:34:39 ID:qoCKchrf
>>17
LN2でよければ20年ほど前から可能だ

レシピどうりに作れば大学1年生でも磁石が浮くところくらいは見られる



20(,,゚д゚)さん:2005/08/20(土) 08:46:17 ID:60ivMaEp
>>19
いまではあたりまえだが 最初に見たときは奇跡を見たようだったよ
21名無しのひみつ:2005/08/20(土) 08:54:26 ID:1VsxUqmD
>>6
常温核融合は現代の錬金術
それにしても、張本人のフライュマンとボンズはどうなった?
たしか、マサチューセッツ工科大学の教授は
「フライュマンとボンズの様な嘘つきは科学界から追放すべきだ。」
とのもたもうたのだが
22名無しのひみつ:2005/08/20(土) 11:06:32 ID:1Z2t+wpv
常温核融合は三菱でやってなかったっけ?

常温核融合ってどうよ?
http://science3.2ch.net/test/read.cgi/future/1003742320/

>>17
ドライアイス(-78度)ってむちゃくちゃ高温ですがな・・
液チ温度で大電流流れるやつってどれぐらい実用化されてるの?

>>16
MgB2金属系高温超伝導体のTcの記録を更新
http://science3.2ch.net/test/read.cgi/material/983157436/
23名無しのひみつ:2005/08/20(土) 11:09:44 ID:x7tRHb7l
詐欺で服役中のリンドン・ラルーシュが、獄中で吠えていた以来じゃないの。
常温核融合は、X−ファイルのマックスだけにしてほしいな。
24名無しのひみつ:2005/08/20(土) 12:22:12 ID:AyaD9qfn
電流が流れるのに抵抗ゼロなんていまだに信じられん

それはそうと、アメリカが何万キロにも渡る送電線を超電導にしようとらしいね
25名無しのひみつ:2005/08/20(土) 19:15:09 ID:xp4IKy8B
>しようとらしい


うちの妹もこんな風に言葉を無意識にはしょってしまうみたいなんだが、脳に異常でもあるんだろうか?
26名無しのひみつ:2005/08/20(土) 19:25:39 ID:Y9haa6is
しろうとらしい に見ええた。
27名無しのひみつ:2005/08/20(土) 19:58:06 ID:wVI2wSuo
高温超伝導って、2〜3年おきに
「大発見」

「ブレイクスルー」
って騒いでるな。

もう、製品化するまで放置で。
28名無しのひみつ:2005/08/20(土) 22:32:50 ID:C+7Ucbg/
全く理解不能だが
おれはインチキだと直感した
29名無しのひみつ:2005/08/21(日) 02:02:25 ID:YoJTrW+U
NMR・MRIで使えないと実感がわかない
30名無しのひみつ:2005/08/21(日) 11:32:25 ID:jtLrnPKi BE:463546188-
>>24
発電所を近所に作って、パイプラインで燃料を運んだ方がまだ効率的かと。
31名無しのひみつ:2005/08/21(日) 12:08:28 ID:Y6fm00Cr
>>30
発電所を地域ごとに分散すると発電効率が落ちるんですけど。
既存の電線インフラをパイプラインに置き換えるコストや発電所新設のコストも無視ですか?
32名無しのひみつ:2005/08/21(日) 12:26:52 ID:jtLrnPKi BE:57943542-
>>31
室温超伝導体でケーブル敷くといくら掛かるかな。
超伝導体は強度が著しく劣るのが相場だけど。
地中ケーブルだと保守費用馬鹿にならないし、故障箇所見つけるのも難しくなるよ?

高温超電導体なら液体窒素を運ぶパイプラインを造らないといけないし
液体窒素を作るのにトンでもない電力使うし。
発電なら超小型で総合効率70%のガスタービンなんてのも開発されたし。
33名無しのひみつ:2005/08/21(日) 12:35:59 ID:jtLrnPKi BE:405603078-
そもそも、数万kmの送電線の1箇所でも常伝導に戻ったら
その地点に正帰還がかかってどんどん加熱されて、あっという間に電線焼き切れるよ。
技術的なハードルが高すぎる。
34名無しのひみつ
論文落としてみた。
スピン揺らぎが重要。