【遺伝子】7種の新規RNA干渉酵素を発見 遺伝子研究試薬発売へ(08/17/2005)

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1( ´`ω´) φ ★

■7種の新規RNA干渉酵素を発見 タカラバイオ 遺伝子研究試薬発売へ(08/17/2005)

 タカラバイオは17日、体内のタンパク質合成にかかわる一本鎖のリボ核酸(RNA)の特定の塩基配列を
認識して切断する「RNA干渉酵素」計7種類を発見し、今秋にも遺伝子研究試薬として発売する、と発表した。
 この酵素を使ってエイズウイルスに感染した細胞だけを消滅させるモデル実験に着手しており、遺伝子治療への
応用を目指している。

 RNA干渉酵素は、同社取締役で米国ニュージャージー医科歯科大の井上正順教授らが一昨年、大腸菌の
毒素タンパク質「MazF」が同酵素として働くことを発表。今回、タカラバイオが同種の毒素タンパク質を持つ
枯草菌やアンモニア酸化細菌などを調査して新たな種類を発見した。

 エイズ治療への応用では、同酵素をエイズウイルス(HIV)感染時に働かせる遺伝子実験を実施。
HIVがつくる「Tatタンパク質」とRNAの特定配列が結合して感染細胞が増殖することに着目し、同タンパク質が
できると酵素が作用し、特定配列を切断することで感染細胞が消滅する実験結果が得られた、という。

(後略)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005081700177&genre=B1&area=K10 (引用元配信記事)

京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/index.php (08/17/2005) 配信

【遺伝学電子博物館】
http://www.nig.ac.jp/museum/index.html
【RNA干渉】
http://www.jst.go.jp/pr/info/info90/yougo.html#yougo2

 ある遺伝子と同じ配列を持つ2本鎖RNAを細胞へ導入するとその遺伝子の発現が選択的に抑制される現象
のことである。実際には、比較的長い2本鎖RNAがダイサーと呼ばれる酵素で22ntの大きさにまで分解され、
その低分子 RNAが複数のタンパク質と結合してRISC(RNA induced silencing complex)と呼ばれる複合体を形成して
遺伝子の不活化に関わっていると予想されている。
 バイオテクノロジーでは、最初から22ntの二本鎖RNAを合成して細胞に導入して遺伝子の不活化技術
として汎用されている。その技術をRNAi法あるいはsiRNA法と呼んでいる。

【siRNAのQ&A】
http://www.fasmac.co.jp/sirna3.html
2名無しのひみつ:2005/08/18(木) 07:07:53 ID:DVdUSH3E
3名無しのひみつ:2005/08/18(木) 07:25:03 ID:Nk1b/Rbr
2!ダニ
4名無しのひみつ:2005/08/18(木) 11:06:27 ID:4+VkvQnh
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5名無しのひみつ:2005/08/22(月) 02:49:22 ID:ZGs78eZC
RNAiと全然ちげーし実用化に繋がるとは到底思えない
6( ´`ω´) φ ★:2005/08/22(月) 18:55:54 ID:???

今回発見されたRNA干渉酵素は、RNA干渉のようにRNAが直接作用するのではないため、
RNAより安定な、導入されたベクターにより発現された酵素による持続的な抑制効果が期待
できる利点があります。

http://www.takara-bio.co.jp/news/2005/08/17.htm
7( ´`ω´) φ ★:2005/08/22(月) 18:56:29 ID:???

【TaKaRa タカラバイオ株式会社】
http://www.takara-bio.co.jp/index.htm

【News Release】(08/17/2005)

一本鎖RNAの特定配列を認識して切断破壊する7種の新規RNA干渉酵素を発見、
さらにエイズウイルスに感染するとRNA干渉酵素が細胞内で発現され、エイズ感染細胞のみを
細胞死させるモデル実験系を作製

 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)では、世界に先駆けてRNA干渉酵素(mRNAインターフェレース)の
探索やRNA干渉酵素を用いた遺伝子発現制御法を開発してきましたが、このたび一本鎖RNAの特定配列を
認識して切断するRNA干渉酵素をさまざまな細菌からスクリーニングし、新たに7種のRNA干渉酵素を発見しました。
また、RNA干渉酵素の利用が最も期待される遺伝子治療への応用の第一歩として、エイズウイルスから特異的に
発現するTatタンパク質によって、RNA干渉酵素の一つであるMazFの発現が誘導され、産生されたMazFの作用に
 よりTat遺伝子を導入した細胞のみに細胞死が誘導されるモデル実験系を作製し、その効果を確認できました。
現在、世界中でRNAそのものによる遺伝子発現制御法「RNA干渉:RNAi」を用いた応用研究が繰り広げられて
いますが、当社のRNA干渉酵素による遺伝子発現制御は、革新的な「RNA干渉」の道を開くものと期待されます。
なお、当社は米国ニュージャージー医科歯科大学(UMDNJ)よりRNA干渉酵素に関する特許の世界の独占的
実施権を取得しています。

 RNA干渉酵素は、DNA鎖の特定の配列を認識して切断する制限酵素のRNAバージョン、すなわちRNA制限酵素
とも言えるものです。一本鎖のRNA以外の核酸、例えばDNAや二本鎖RNAなどには作用しません。当社の取締役
でUMDNJの教授である井上正順博士らのグループによって、大腸菌の毒素タンパク質の一つであるMazFが、
RNAの特定の配列(ACA)を認識して切断するRNA干渉酵素であることが世界で初めて発見されました。
一方、当社の研究グループは、DNA鎖の特定の配列を認識して切断する制限酵素が生物界に広く存在するの
と同様に、一本鎖RNAの特定配列を認識して切断する酵素群が大腸菌以外の他の細菌などにも存在するのでは
ないかと考え、スクリーニングを精力的に進めた結果、7種の新規RNA干渉酵素を発見するに至りました。
具体的には、タンパク質の構造分類でMazFと同じPemKファミリーに属する毒素タンパク質をコードする枯草菌や
アンモニア酸化細菌などの細菌の遺伝子を大腸菌で発現させ、一本鎖RNAに対する切断活性を調べました。
 その結果、一本鎖RNAの4塩基から7塩基の長さの特定配列を認識して切断できる新しい7種類のRNA干渉酵素を
発見しました。現在までに判明した、それらの干渉酵素の主要な切断塩基配列は、それぞれ
U/ACAU, GA/ACU, U/CCUU, UU/CCUUU, U/ACA, GA/AUです。
 
 RNA干渉酵素の応用分野としては、例えば以下の3分野が考えられます。

1.エイズの遺伝子治療への応用
当社は、当社が開発したレトロネクチン法を利用した体外遺伝子治療の開発を推進しておりますが、
RNA干渉酵素の利用で最も期待されるのはエイズなどの難病の遺伝子治療への応用です。
RNA干渉酵素をレトロウイルスベクターなどによって、リンパ球に導入し、発現させることでエイズウイルスが
感染した細胞のみを細胞死させエイズウイルスを抹消する遺伝子治療が可能になると考えられます。
例えば、エイズウイルス(HIV)のLTRプロモーターの作用によって転写が開始されたRNA内に存在する
特定の配列(TAR)にエイズウイルス由来のTatタンパク質が結合すると、それより下流の転写を活性化する
ことがすでに知られています。つまりエイズの感染によってTAR配列の下流の遺伝子の発現が誘導されること
になります。この位置にMazF遺伝子を導入しておけば、実際にエイズウイルスが感染すると、ウイルスの増殖の
際にTatによってMazF遺伝子が発現され、エイズ感染細胞のみに細胞死が誘導されることになります。
つまりウイルスは生育が抑えられるのではなく消滅することになります。
実験モデルとして行ったデータからは、エイズウイルス(HIV)のLTRプロモーターとRNA干渉酵素MazFを
組み込んだプラスミドと、HIVのTat遺伝子を組み込んだ別のプラスミドを共導入した場合にのみ細胞死が
認められました。つまりTatタンパク質の発現によって、RNA干渉酵素MazFが発現したものと考えられます。
今後、組み込まれたRNA干渉酵素遺伝子、HIVのLTRプロモーター、HIVのTatタンパク質の連携プレイの
厳密性と安全性が動物実験によって確立されれば、エイズ遺伝子治療と予防が可能になると考えられます。

8( ´`ω´) φ ★:2005/08/22(月) 18:56:41 ID:???
>>7
2.目的タンパク質のみを発現させるシステムの開発(SPPシステム)
ACAを認識配列とするRNA干渉酵素であるMazFを細胞内で発現させると、ほぼ全ての細胞由来のmRNAには
ACAの配列があるため破壊され、新規タンパク質の合成は抑えられます。しかし、発現させたい目的タンパク質の
遺伝子中のACA配列を、コードするアミノ酸の種類を維持したままACAとは異なる塩基配列に人工的に置換しておくと、
この人工遺伝子のみがRNA干渉酵素MazFの切断作用を受けず、目的タンパク質のみを発現させることが可能になります。
この発現系を利用して安定同位体でタンパク質を標識すると目的タンパク質のみが標識され、精製過程を省略して
NMRによる構造解析を行うことが可能です。また、当社で開発したコールドショックベクターと組み合わせれば、
微量しか発現していない抗原タンパク質などの単離にも有用で、ワクチンの開発に応用が期待できます。
当社では、この発現系をSPP(シングル プロテイン プロダクション:Single Protein Production )システムと呼び
タンパク質の新規な発現システムとして活用していきます。

3.RNA工学研究用試薬への応用
近年、ノンコーディングRNA(non-coding RNA)と総称されるタンパク質をコードしない多くのRNAが機能性分子として
生理学的に重要な役割を果たすことが明らかになってきており、これら機能性RNAの構造と機能の解明は、今後の
重要な研究課題と認識されています。今回当社が見出した新規RNA干渉酵素は、一本鎖RNAの特定配列を認識して
切断することから、例えば機能性RNAの構造解析に大きく貢献するものと考えられます。さらに、様々なRNAの構造と
機能の解明が十分に進めば、将来的にはRNA干渉酵素はRNA工学の様々な場面で有用な研究試薬として利用される
ことが期待されます。当社では、今後順次RNA干渉酵素を製品化し、世界規模でのRNA干渉酵素の供給メーカーとなる
ことを目指します。
9( ´`ω´) φ ★:2005/08/22(月) 19:04:45 ID:???
>>8
制限酵素
DNA鎖の、特定の塩基配列を認識して切断する酵素です。DNA鎖を切断する“はさみ”として
遺伝子工学分野で広く用いられています。現在、数百種類もの制限酵素が分離精製されています。

RNA干渉酵素(メッセンジャーRNAインターフェレース:mRNA Interferase)
ニュージャージー医科歯科大学の井上正順教授は、大腸菌の毒素タンパク質(トキシン)のひとつである
MazFがメッセンジャーRNA中のACAの塩基配列を特異的に認識して切断する機能を有する酵素である
ことを発見し、メッセンジャーRNAインターフェレースと命名しました。当社は日本語としてRNA干渉酵素と
呼ぶことにしました。

RNA干渉
一般的にRNA干渉とは、二本鎖RNAによって配列特異的にメッセンジャーRNAが分解され、その結果遺伝子の発現が
抑制される現象のことを言います。現在までに線虫、昆虫、植物、菌類だけではなく、マウスやヒトなど哺乳動物も含め
広く生物に保存されている現象であることが明らかにされています。近年、哺乳動物細胞を含めた様々な生物種で、
遺伝子の発現抑制手段としてRNA干渉(RNA interference; RNAi)が利用されており、将来的には医療分野での利用にも
大きな期待が寄せられています。今回発見されたRNA干渉酵素は、RNA干渉のようにRNAが直接作用するのではないため、
RNAより安定な、導入されたベクターにより発現された酵素による持続的な抑制効果が期待できる利点があります。

タンパク質の発現
目的とするタンパク質の遺伝子を遺伝子の運び屋であるベクターに組み込んだ発現ベクターを構築し、これを大腸菌を
はじめとする細菌や真核生物の細胞に導入して、目的タンパク質をつくる遺伝子工学的手法をいいます。
発現ベクターにはスイッチの役割を果たす適切なプロモーターが導入されており、タンパク質発現を制御することができます。

シングルプロテインプロダクション(SPP)システム
ニュージャージー医科歯科大学の井上正順教授は、ACAを認識配列としてもつ大腸菌のメッセンジャーRNA
インターフェレースMazFを利用して、発現させたい遺伝子中のACA配列をコードするアミノ酸を保持したままACAとは
異なる配列に置換し、MazFとともに細胞に導入すると、MazFによりほとんどの細胞タンパク質のメッセンジャーRNAは
ACA配列を有するため分解され発現が抑制され、発現させたいタンパク質のみが特異的に発現させることに成功しました。
このシステムをシングル プロテイン プロダクション(SPP)システムと命名しました。

PemK ファミリー
大腸菌のトキシンのひとつであるMazF(ChpAK)とアミノ酸配列上相同性があるタンパク質は、さまざまな細菌のゲノム
解析情報から数多く存在することが見出されており、これらの相同性のあるタンパク質は、タンパク質の分類上、PemK
ファミリーと呼ばれています。MazFと同様の機能を有する可能性が示唆されています。

10( ´`ω´) φ ★:2005/08/22(月) 19:04:59 ID:???
>>9
毒素タンパク質(トキシン)
いくつかの原核生物の核外遺伝子であるプラスミドは、宿主でのプラスミドを維持するためにプラスミドが
脱落した宿主を殺す機能(post-segregation killing; PSK)を有することが報告されています。これらのプラスミド
には、トキシン―アンチトキシン遺伝子が存在しています。アンチトキシンは細胞内でトキシンと結合してトキシンを
活性のない状態にしていますが、アンチトキシンは細胞内のプロテアーゼによって分解されやすく、アンチトキシンが
プロテアーゼにより分解されると安定なトキシンが活性化されます。このようなトキシン―アンチトキシン遺伝子は
ほとんどの原核生物のゲノムにも存在し、さまざまなストレスに対応し、プログラム細胞死の機能を担っています。
トキシンの機能はまだすべて明らかにされていませんが、複製や転写を制御している可能性が示唆されており、
トキシンの一つであるMazFは、メッセンジャーRNA中の特定の配列(ACA)を認識して切断する酵素であることが、
UMDNJの井上教授により明らかになりました。

LTR
レトロウイルスゲノムDNAの両末端で重複している長い末端反復配列です。LTRはU3, R, U5部分からなりU3部分に
ウイルス自身とその近傍の遺伝子の転写活性を高めるエンハンサー機能があります。

tat遺伝子
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の遺伝子の一つです。LTRのR領域から転写が始まりますが、1番から57番塩基までは
TAR(Trans-activator responsive element)配列と呼ばれるステムループを形成します。TatはTARに特異的に結合して
さらに下流の転写を促進します。

制限酵素
DNA鎖の、特定の塩基配列を認識して切断する酵素です。DNA鎖を切断する“はさみ”として
遺伝子工学分野で広く用いられています。現在、数百種類もの制限酵素が分離精製されています。
http://www.takara-bio.co.jp/news/2005/08/17.htm
11名無しのひみつ:2005/08/23(火) 20:37:04 ID:8coJ0tx6
>>6
つかRNA2重鎖ってむちゃくちゃ安定なんじゃなかったっけ?
確か細胞あたり1分子でも抑制効果があったって話を見たぞな
12名無しさん入浴中
>>11
そう。だけど、標的細胞までどうやって運ぶかが課題なんだよね。