【天文/チャンドラ】ミリ秒パルサーへの移行段階を示す天体47 Tuc W

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1♪名有りのひみつ♪φ ★
チャンドラが、長年探し求められてきたミリ秒パルサーへの移行過程を発見

 47 Tuc Wはパルサーと普通の恒星とから成る連星系であり、パルサーは2.35ミリ秒周
期で高速回転するミリ秒パルサーである。この天体がある球状星団47 Tucは天体が非
常に密集した場所であり、恒星同士が10分の1光年未満しか離れていない。およそ20個
のミリ秒パルサーがここには存在している。

 天文学者らはこれまで、次のようなミリ秒パルサーの形成過程のシナリオを描いていた
。まず始めに大質量星の超新星爆発により中性子星が形成される。中性子星は球状星
団の中で、伴星を獲得してはそれを手放す代わりに他の新しい伴星を獲得するというこ
とを繰り返す。伴星との距離が十分に近くなると、中性子星は伴星から物質を引き寄せ
始め、物質が落ち込む時にX線が発生する。このようにしてJ1808のようなX線を放射す
る連星系が形成された。その後連星系のスピンアップにより、最終的にミリ秒パルサー
へと進化する。しかしこれまで、最終的にミリ秒パルサーへと移行する途上にある天体に
ついてはほとんど何も分かっていなかったために、決定的な証拠を欠いていた。

 マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード・スミソニアン宇宙物理学センターの天文
学者のチームは、47 Tuc Wが放射するX線の特性と変動性がX線を放射する連星系J
1808とよく似ていることを明らかにした。X線を放射する連星系とミリ秒パルサーとの間を
つなぐ天体であり、これまでの理論を強力に裏付ける観測例となる。

(以上、日本語訳&要約)

☆ソース
(1) Chandra :: Photo Album :: 47 Tuc W: What's Hot? Chandra Finds Long-Sought Link to Origin of Millisecond Pulsars
http://chandra.harvard.edu/photo/2005/47tuc/
(記事全訳は>>2辺りで)
(2)Chandra X-ray Observatory Center :: 47 Tuc W: A millisecond pulsar in the globular cluster 47 Tucanae
http://chandra.harvard.edu/photo/2005/47tuc/47tuc_hand.html

☆関連スレ
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http://news18.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1110214073/ (05/03/08)
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http://news18.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1108820439/ (05/02/19)
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http://news16.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1086353298/l50 (04/06/04)
2♪名有りのひみつ♪φ ★:2005/07/25(月) 00:22:04 ID:???
☆記事全訳

47 Tuc W: 何が熱いのか?
チャンドラが、長年探し求められてきたミリ秒パルサーへの移行過程を発見

 チャンドラの新しい観測結果によって、なぜミリ秒パルサーと呼ばれる中性子星はそん
なにも速く自転するのかという謎について、これまでで最も重要な情報が得られた。本当
の財産を決定する鍵となるのは土地(場所)であるが、同様にここで鍵となるのが球状星
団という天体が密集した場所である。ここでは恒星同士が10分の1光年未満しか離れて
いない。およそ20個のミリ秒パルサーがここには存在している。この豊富な試料はミリ秒
パルサーの起源を探っている天文学者らにとってはボナンザであり、47 Tuc Wのような
非常に重要な移行段階にある天体が発見される機会を増やす。

 マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード・スミソニアン宇宙物理学センターの天文
学者のチームは、47 Tuc Wが放射するX線の特性と変動性がJ1808として知られているX
線を放射する連星系のそれとほぼ同じであることを明らかにした。既知のミリ秒パルサー
と既知のX線を放射する連星系とのこのような類似性は、これらの天体の間の関係を示
すものだとしている。

 理論的には、ミリ秒パルサーの形成過程の第一段階は、大質量星の超新星爆発によ
る中性子星の形成である。球状星団の中で形成された中性子星は星団中心部の周りを
さまよいながら、伴星を獲得してはそれを手放す代わりに他の新しい伴星を獲得すると
いうことを繰り返す。

 混み合ったダンス会場のように、球状星団内の密集した環境の中で中性子星は伴星
により接近したり、相手を交換してより強く結びついた連星系となったりする。伴星との距
離が十分に近くなると、中性子星は伴星から物質を引き寄せ始める。物質が中性子星に
落ち込む時にX線が発生する。このようにしてX線を放射する連星系が形成され、ミリ秒
パルサー形成への非常に重要な第二段階が完了するのである。

 47 Tuc Wの伴星――太陽質量の約8分の1以上の質量を持つ普通の恒星――は、パ
ルサーをスピンアップさせた伴星というよりはむしろ、新しい伴星であるようだ。その新し
い伴星は、以前の伴星を放出した代わりに最近獲得したものであり、既にスピンアップし
たパルサーへと落ち込もうとしながら、観測されるような衝撃波を発生させている。これと
は逆にX線を放射する連星系J1808は球状星団内の天体ではなく、本来の伴星を今でも
従えているようであり、その伴星は物質を失って太陽の5%未満の質量しか持たない褐色
矮星サイズの天体となっている。

 ほとんどの天文学者らは、連星系のスピンアップによりミリ秒パルサーが形成されたと
いうシナリオを受け入れている。X線を放射する連星系において中性子星が回転速度を
増していることが既に観測されており、ほとんど全ての電波ミリ秒パルサーが連星系をな
していることが明らかになっているからである。しかしこれまで、第二段階から最終段階
へと移行する途上にある天体についてほとんど何も分かっていなかったために、決定的
な証拠を欠いていたのである。

 47 Tuc Wが熱いのはこのためである。47 Tuc Wは、X線を放射する連星系と同じ特徴
を数多く持つミリ秒パルサーと、様々な点でミリ秒パルサーと同様に振舞う連星系J1808
との間をつなぐ天体であり、これまでの理論を強力に裏付ける観測例なのだ。
3名無しのひみつ:2005/07/25(月) 00:24:25 ID:szwqKOZP
>>3なら>>4はこれから1ヶ月間層化信者に見張られる!
これは残念だが変更不可能!
4名無しのひみつ:2005/07/25(月) 00:38:39 ID:0AlxE9PE
党首の岡田だがなにか?
5名無しのひみつ:2005/07/25(月) 04:12:50 ID:mY3EdU/z
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6名無しのひみつ:2005/07/25(月) 05:35:05 ID:58IIDr51
しかし、こりゃまたひどいな。何がポイントなのかわかりにくいよ>記者の人。

今回の話の目玉は、高速で回転するパルサーができる過程の証拠を見つけた
ということ。

パルサーにはおおざっぱに言って二つの仲間分けがある。ひとつはカニ星雲の
中心にあるような若い超新星残骸で見つかるようなものである。これらは非常に
若く、大量の荷電粒子、電磁波を放射している(パルサーの本体は強力な磁石で、
これがぐるぐる回ることで放射がおきる)。

もうひとつはものすごく年老いた(宇宙年齢に近い)ような系でみつかるミリ秒パル
サーというもので、これらはだいたい上記のクラスよりはるかに速いスピードで自
転している(安定に自転できるぎりぎりの速さに近い)。今回観測している球状星団
はこういう古い恒星系の代表である。

ここで、なぜ古いはずのパルサーがより速く回っているのだろう、ということが問題
になってくる。超新星爆発でできた中性子星は電磁波や電粒子を放射しながら減
速していくので、パルサーは古ければ古いほどゆっくりまわるはずである。球状星団
にあるような中性子星は宇宙ができてまもなくできた古い星であると思われるが、こ
れらができたての若いパルサーより速く回っていることは謎だ。

この問題の理論的解決として、ミリ秒パルサーは連星系の相手の星からガスを
受け取って、その結果としてスピンアップされるような期間を経ている、というのが
定説になっている。このスピンアップの原理は、回っているコマを紐で回転方向に
たたくと自転が加速するのと同じ原理だ。コマ回しの紐の役目をガスが果たしている。

で、記事の内容は、このスピンアップが起きている現場を観測で押さえたということ。
7名無しのひみつ:2005/07/25(月) 10:04:52 ID:8bBhqzgc BE:113572894-##
GJ>6

しかしミリ秒単位の自転ってどんなんだ。
8名無しのひみつ:2005/07/25(月) 10:32:29 ID:XlDSokDo
>>7
中性子星だからねぇ。
9名無しのひみつ:2005/07/25(月) 10:42:34 ID:XlDSokDo
我々が見る、岩や鉄、鉛などはぎっしり中身が詰まっているように見えるが、じつは、原子レベルで見ればほぼ空といっていい。
原子の中央にある点のように存在する原子核、それを構成している陽子と中性子だけで重さが決定されている。
この中性子だけが集まって星になったのが中性子星。
砂粒ほどの大きさの重さが百万トン、直径10キロの小惑星並の大きさなのに重さが恒星と同じくらいある。
10名無しのひみつ:2005/07/25(月) 11:16:57 ID:9yYCfJ6p
>>6
いい解説
11名無しのひみつ:2005/07/25(月) 11:18:13 ID:wb1ebfhw
>>6
GJ
>>1
GJ
12名無しのひみつ:2005/07/25(月) 13:34:39 ID:XlDSokDo
X線天文観測ですっかり米国にお株を奪われちゃったね。
13名無しのひみつ:2005/07/26(火) 08:18:21 ID:bjyj4uYt
>>6
>>1>>2読んだだけじゃ確かによくわからんかった。
解説サンクス!
でもソースをそのまま訳すと>>2のようになっちゃうわな。
ソース自体、まわりくどくて焦点がはっきりしないね。
まあ、♪名有りのひみつ♪さんも乙
14名無しのひみつ
「私は夢を?」
「・・・それはわからない」