■“秘境”知床に光 国内3カ所目「世界自然遺産」登録へ (07/12/2005)
ヒグマやエゾシカが住み、冬には流氷が押し寄せる北海道・知床。オホーツク海に突き出た
この地の世界自然遺産登録が、10日から南アフリカで開催されている世界遺産委員会で正式に
決定する。国内では平成5年の白神山地(青森、秋田県)、屋久島(鹿児島県)に次いで3カ所目。
海から陸に続く豊かな自然と生態系が評価された。
(中略)
北半球で最も緯度が低い流氷地でもある。冬の流氷が運んだプランクトンをエサにしようと魚が集まり、
その魚を鳥やトドなどの海獣、さらにヒグマなどが食べる。秋には、サケやマスが河川を遡上(そじょう)し、
朽ち果てた身体は土に戻り、陸の動物の胃に収まる。海から陸への食物連鎖が続き、独特の生態系を築いてきた。
候補地は斜里町と羅臼町にまたがる陸域と沖合3キロの海域合わせて7万1100ヘクタール。
うち、海域が2万2400ヘクタールと三分の一近くを占める。
知床について「登録が適当」と評価した理由について、国際自然保護連合(IUCN)は
「海洋生態系と陸上生態系の相互関係の顕著な見本」としたうえで、「シマフクロウ、シレトコスミレなど
希少種やサケ科魚類、トド、また海鳥や渡り鳥にとって重要な地域」と、野生生物の多様性を挙げた。
周囲を海で囲まれた日本列島だが、海域を含む世界自然遺産候補地は国内で初めて。
漁業との折り合いが課題のひとつだ。
(中略)
さらに、IUCNは河川に設置されたダムが、サケなどに及ぼす影響を調査することも求めた。
ダムについては、河川を荒らし、サケの遡上を妨げる要因と指摘されてきた。このため関係機関は
サケの遡上調査を行うとともに、専門家を集めてダムの必要性について話し合っている。
(後略)
http://www.sankei.co.jp/news/050712/sha024.htm (引用元配信記事)
http://www.sankei.co.jp/news/050712/sha024-1.jpg Sankei Web
http://www.sankei.co.jp/main.htm (07/12/2005) 配信