体内で起きる炎症の悪化に重要な役割を果たすたんぱく質を、東京大大学院医学系
研究科の松島綱治教授らの研究チームが発見した。
このたんぱく質の働きを抑えれば、関節リウマチや動脈硬化など炎症が原因とされる
病気を治療できる可能性がある。治療薬の開発に道を開く研究成果で、米科学誌
「ネイチャー・イムノロジー」電子版に4日、掲載される。
炎症が起きると、そこから特殊な化学物質が放出される。単球やマクロファージという
免疫細胞は、その化学物質を目印に次々に集まってくる。これらの免疫細胞は通常、
炎症の場所を掃除するなど「役に立つ」が、関節リウマチの患者などでは、多く集まり
過ぎて逆に炎症を悪化させる。体内では、免疫細胞の表面に化学物質がくっつくことが
最初のステップとなり、その後、複雑な反応が起きて「細胞の移動」が始まるとみられる。
研究チームは、この「動き」に関係するたんぱく質を発見し「フロント」と名づけた。
フロントが働かないと体内反応が続かないことも実験で確かめた。
研究チームの一員で、ベンチャー企業「エフェクター細胞研究所」社長を務める金ヶ崎
史朗・東大名誉教授は「現在、フロントの働きを阻害する物質を探しており、将来は製薬
会社と共同して新薬を開発したい」と話している。
引用元:読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20050704i101.htm Pivotal function for cytoplasmic protein FROUNT in CCR2-mediated monocyte chemotaxis
Nature Immunology Published online: 03 July 2005 | doi:10.1038/ni1222
http://www.nature.com/ni/journal/vaop/ncurrent/abs/ni1222.html