アムールヒョウ最後の生息地にパイプライン計画
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/4685753.stm (はしょり気味だけど訳してみた)
ロシア沿海州のPine Valley自然保護区に残された40頭足らずの最後の野生アムールヒョウに危機が迫っている。
それは世界最長のパイプラインを通す計画だ。
パイプラインを独占する国営企業のTransneftはまもなくこの数十億ドルの大計画の最終計画書を提出する。
パイプラインは東シベリアの未開発の油田で拡大する中国や日本のエネルギー需要を賄うものとなる予定だ。
5人いる保護区のレンジャーのひとり、Alexander Zayevはパイプライン計画が取り返しのつかないダメージを与えると考えている。
「保護区のすぐそばに工業地域ができれば、人口が増え密猟者の侵入も多くなる。そうなれば我々には監視しきれない」
保護活動家のSergei Bereznyakはアムールヒョウへの致命的な打撃となりかねないこの計画を中止するよう裁判所に訴えた。
「ヒョウの生息地にパイプラインを通すのはあまりにばかげている。我々は沿海州の住民にとってもヒョウにとってもよりよいルートを提案した」
Perezovnayaに石油の積出港を建設する計画も彼にとって憂慮すべきものだ。
水深が浅く風が強いこの湾ではタンカーからの石油の流失が大きなリスクとなる。
しかもロシア唯一の海洋保護区は目と鼻の先なのだ。
パイプライン計画はまだ政府の承認を受けてはいないし、Transneftも公式にはまだ最終計画ではないとする。
しかしTransneft副社長のSergei Grigorievは自信満々だ。
「急成長している中国は大量の石油を必要としている。だからこの計画は莫大な利益が見込めるのです」
国際的な批判により計画は今のところ裁判所命令で止められている。
しかし計画には地元にも強力な支持者がいる。
沿海州の行政官たちは資本主義化が立ち後れている地域の起爆剤となることを期待し、根回しに余念がない。
沿海州知事の報道官、Viktor Gorashkovはこう語る。
「もちろんパイプライン計画には関心を持っている。
沿海州は今は半ば空白だが、我々は地域全体を発展させたいと思っている。
わが州を工業の中心地にし、地域経済を躍進させたい」
行政官はすでにロシア第二の石油会社TNK-BPに接触し、精製所の建設計画について交渉した。
TNK-BPはまだごく初期の段階であって決定事項は何もなく、
計画に際しては国際基準を厳密に満たすものとするとコメントする。
国際基準には環境への配慮も含まれるが、アムールヒョウの絶滅を心配する人々にとって満足のいくものではないだろう。
彼らにとってこれは国家の優先事項を問うテストケースなのだ。