プロアマ天文学者混合チーム、新惑星を発見
アマチュアとプロの天文学者のチームとしては初めて遠方の恒星を周回している新惑星
を発見した。この惑星は微小(マイクロ)レンズ法として知られる、重力場により遠方からの
星の光への影響を観測することにより発見された。今回の発見はこれまで微小レンズ法に
より発見されたものとしては2番目となる。重力微小レンズ効果により近い将来、地球と同等
の質量の惑星を発見できるのではないかと期待されている。
「この発見は微小レンズ法による探索の氷山の一角に過ぎず、技術の改良により今後地
球サイズの惑星が発見されるだろう。」とHarvard-Smithsonian天体物理学センターの天文
学者Scott Gaudiは語る。
「もし今回発見した場所に地球と同等の質量の惑星があれば検知できただろう。」と今回の
発見者オハイオ州立大学のAndrew Gould教授も同意する。
微小レンズ探査は昨年最初の発見に結びついた。今回の2番目の発見で微小レンズ効果
惑星ハンティングに対する実力のほどが裏付けられた形で、この方法による惑星探査のルー
チン化の幕開けを告げるものになる。
新たに発見された惑星は木星の3倍ほどの重さで、太陽ほどの恒星の周りを回っている。
発見時、地球―太陽間の3倍の距離の軌道を回っていると見積もられた。はっきりしたこと
はまだわかっていないが、恒星の至近を回る巨大灼熱ガス惑星(hot Jupiter)では無いこと
は確認された。惑星、その恒星とも地球から1万5千光年のところにあり、もっとも遠いところ
にあるものの発見となる。
Microlensing Follow Up Network (MicroFUN)に所属するニュージーランドに住む二人の
アマチュア天文学者、14インチ望遠鏡を所持するGrant Christieと10インチ望遠鏡を所有
するJennie McCormickも重要なデータを提供し、今回の論文に名を連ねた。
記事全文、図等はこちらです。
Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics 2005 Press Releases Release No.: 05-14 May 23, 2005
Amateur and Professional Astronomers Team to Find New Planet
http://cfa-www.harvard.edu/press/pr0514.html ☆画像等
http://www.cfa.harvard.edu/press/pr0514image.html A Jovian-mass Planet in Microlensing Event OGLE-2005-BLG-071
A. Udalski, M. Jaroszynski, B. Paczynski, M. Kubiak, M.K. Szymanski, I. Soszynski, G. Pietrzynski, K. Ulaczyk, O. Szewczyk,
L. Wyrzykowski, G.W. Christie, D.L. DePoy, S. Dong, A. Gal-Yam, B.S. Gaudi, A. Gould, C. Han, S. Lepine, J. McCormick,
B.-G. Park, R.W. Pogge, D.P. Bennett, I.A. Bond, Y. Muraki, P.J. Tristram, P.C.M.Yock, J.P. Beaulieu, D.M. Bramich, S.W. Dieters,
J. Greenhill, K. Hill, K. Horne, D. Kubas
http://arxiv.org/abs/astro-ph/0505451 関連ページ
重力レンズ効果による系外惑星の発見
http://www.astroarts.co.jp/news/1999/11/991111NAO306/index-j.shtml Hot Jupiter
http://astro.ysc.go.jp/index3.html#another-planet http://www.mypress.jp/v2_writers/miyu_desu/story/?story_id=976377 http://www.absoluteastronomy.com/encyclopedia/h/ho/hot_Jupiter.htm 関連ニュースは
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