■外科手術のシミュレーションソフト、2年後には利用可能に?(03/07/2005)
スタンフォード大学所属の外科医で生命工学を研究する(1)チャールズ・テイラー助教授は、
これまで約10年をかけて、外科手術をもっと予測可能なものにしようと取り組んできた。
テイラー助教授は複数の研究協力者とともにMRIやCTスキャンをはじめとする医療データを蓄積し、
研究チームで考案したアルゴリズム――血液の流れ、静脈や動脈の柔軟性など、さまざまなパラメーターを
予測するもの――と組み合わせている。
テイラー助教授の目標は、実際にメスを握って手術を行なう前に、外科医たちが個々の手術を練習できる
使いやすい(2)ソフトウェアツールを開発することだ。
「これは究極のビデオゲームだ」と話すのは、テイラー助教授の技術開発を手伝っているスタンフォード大学の
小児心臓病専門医、(3)ジェフリー・ファインスタイン氏。「コンピューターに向かい、どこかをちょっといじってみると、
リアルタイムでその結果がわかる。実際に患者に試さずに、いくつかの処置を実行してみることもできるわけだ」
外科医たちがこのツールを取り入れれば、手術の手法が根本から変わる可能性がある。
現在、医師は患者の病状を突き止める手がかりを、もっぱら検査に頼っている。しかし実際に手術を行なうまで、
医師は自分の考えていることが正しいかどうか検証できない。また、患者は1人1人違うので、どの方法が
最良なのか診断データではわからない。ある患者には別のバイパス手術をしたほうがよかったかもしれないし、
むしろまったく手術をしないほうがよかったのかもしれない。
単に食生活を変えるだけの方が効果があった可能性もある。
(中略)
テイラー助教授は2月21日(米国時間)、ワシントンDCで開催された(4)米国科学振興協会(AAAS)年次総会で
最新の成果を発表した――同助教授作成の循環系モデルに、静脈と動脈の柔軟性という要素が新たに
加えられたのだ。
(中略)
「テイラー助教授は特定の患者に関する特定の情報に、非常に複雑なモデルや、非常に高度な数式と
シミュレーションを適用している。医学的な観点から見れば、そこから出てくる結果は非常に単純に見えるし、
なぜこれまで行なわれなかったのか不思議に思える。しかし数学や物理学の立場から見ると、途方もなく難しい
ことだ」と、ファインスタイン氏は述べた。
( ´`ω´)つ
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050307305.html (引用元配信記事)
Hotwired Japan
http://hotwired.goo.ne.jp/ 日本版(03/07/2005)配信