気象庁気象研究所は、1946年12月21日の南海地震
(マグニチュード8、死者1330人)の発生直前、震源に近い
和歌山県勝浦町浦神の海岸で潮位の上昇が見られたと21日の
地震予知連絡会に報告した。潮位は地震発生の3日前から
少しずつ上がり始め、直前には約20センチ上昇していた。
地震直前に地盤が沈降していた可能性があるという。
国土地理院に残っていた浦神検潮所のデータに潮の満ち引き、
気圧を補正し、下津(和歌山県下津町)と内浦(静岡県沼津市)との
潮位差を調べた。それによると、南海地震が発生した
46年10月中旬以降は潮位差の変化が3地点間でほぼ同じだった。
ところが、地震発生の直前の12月18〜19日には浦神の潮位は
他の2地点に比べ1日につき約10センチずつ上昇していた。
データを分析した小林昭夫主任研究官は「潮位記録は連続で
観測しており、地殻変動の時間経過を把握できる可能性がある」と
話している。国土地理院は「今なら検潮所は海岸線に
約100キロごとにあり、こうした潮位差は検出できる」と話している。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20050222k0000m040082000c.html