ストレスに打ち勝つための化学物質
ウイルス感染、糖尿病やアルツハイマー病などに見られる、ストレスが引き起こす死か
ら細胞を守る化学物質が発見された。
Michael Boyceらは、19,000種類にのぼる化学物質のスクリーニングを行い、ストレスが
引き起こす死からラットの細胞を守る小さな分子を発見し、これをsalubrinalと名付けた。
彼らは、salubrinalが特にERストレス(細胞が蛋白質を適切に折り畳めなくなる)が
誘発する細胞死を抑制する働きを持っていることを証明した。
蛋白質の折り畳み異常は、様々なヒト疾患を引き起こす原因の1つである。このような蛋
白質の機能不全を異常な状態のまま放置すれば、プログラム細胞死にいたる細胞内経路が
活性化される。
今回の研究では、ERストレスの間、salubrinalが細胞を保護する蛋白質(elF2alpha)を
活性化することがわかった。salubrinalのさらなる解明は、さまざまなヒト疾患の治療法
開発をもたらすであろうと著者らは述べている。
Science Highlight 2004年 2月 11日(金)
http://sciencemag.jp/highlights/highlight.html#2 A Selective Inhibitor of eIF2 Dephosphorylation Protects Cells from ER Stress
Michael Boyce, Kevin F. Bryant, Celine Jousse, Kai Long, Heather P. Harding, Donalyn Scheuner,
Randal J. Kaufman, Dawei Ma, Donald M. Coen, David Ron, and Junying Yuan
Science 11 February 2005: 935-939.
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/307/5711/935 関連スレ:
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