カイコガの求愛行動で、雌が出す性フェロモンを雄が感じる際、その感度を数百倍に上げている
たんぱく質を東京大と京都大の共同研究チームが見つけた。ガは数キロ離れた雌の居場所を知る
ことができるが、その超高感度センサーの仕組みの一端が解明された。4日発行の米科学誌
「サイエンス」電子版に発表した。
カイコガは養蚕に使うカイコの成虫。東京大の東原和成・助教授(先端生命科学)らは、
受容体を持つ雄の触角の感覚器(感覚毛)を詳しく調べ、どの感覚毛にも存在するが、
センサーとして働いていない「BmOR2」というたんぱく質に着目した。
代表的な性フェロモン「ボンビコール」の受容体遺伝子をカエルの卵細胞に組み込み、
BmOR2がある場合とない場合とで、受容体の感度を電気信号に置き換えて比べた。
その結果、BmOR2がある場合は、ない場合より数百倍、性フェロモンに対して敏感だった。
BmOR2はハエ、ガなど多くの昆虫にある。東原助教授は「昆虫の生存と繁殖に欠かせない
たんぱく質だ。感度を高める性質を応用すれば、微量の化学物質などを調べるのに役立つかも
しれない」と話す。
引用元:毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20050204k0000e040088000c.html Insect Sex-Pheromone Signals Mediated by Specific Combinations of Olfactory Receptors
Takao Nakagawa, Takeshi Sakurai, Takaaki Nishioka, and Kazushige Touhara
Published online February 3 2005; 10.1126/science.1106267 (Science Express Reports )
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/1106267v1