地震で発生した津波や地表の揺れが伝わる様子を、
衛星利用測位システム(GPS)がとらえた上空の電離層の
乱れを基に追跡する−。国土地理院(茨城県つくば市)と
フランスのパリ地球物理学研究所は26日までに、
スマトラ沖地震のデータを使って、そんな観測手法の
研究を始めた。
この手法をリアルタイムで使えれば、沿岸到達前に
津波の様子をつかみ、精度の高い警報が出せる。
地理院の村上亮・地理地殻活動総括研究官は
「震源がGPS観測点に近ければ海面の状態を真上から
把握でき、生まれたばかりの津波の大きさや速度が
詳細に分かる」と話している。
村上さんによると、地震動や津波で海面や地面が
上下すると、その上の大気を押し上げたり引き下げたりする。
こうして発生した振動は高度80キロ以上にある電離層に伝わり、
電子を揺さぶる。
すると高度約2万キロを飛ぶGPS衛星から観測点に
届く電波に遅れが発生。日本全国に約1200カ所ある
観測点のデータを分析すれば、地表を揺れが伝わる様子や、
沿岸から数百キロ以内にある津波を追跡できるという。
http://www.shikoku-np.co.jp/news/news.aspx?id=20050126000091