宇宙 : 土星からの塵の流れ
Nature2005年1月20日号掲載のS Kempfたちの報告によると、土星探査機カッシーニは去
年、土星に到達した際にこの巨大惑星から吹き付ける塵(ダスト)を浴びていたようだ。
2004年初頭にカッシーニが土星から6,000万キロメートルの圏内に入った時、搭載された
ダスト計測器が散発的な高速粒子の衝突を記録していたことが明らかになった。これらの
バーストは、カッシーニが土星に近づくにつれ、さらに頻度を増し強いものとなっていっ
た。そして探査機は、去年6月に土星の周回軌道に入った。
土星がダストを噴出していることは予想されていた。木星がダストを噴出していること
がすでに分かっていたからだ。木星ではダストの主な発生源は衛星のイオなので、土星の
ダストも同じように氷の衛星であるディオネやレアの周囲からやって来るのかもしれない。
しかしこのダストが土星のトレードマークである環からやって来ている可能性もある。帯
電したダスト粒子は、土星の磁場との相互作用によって、土星の外に押し出されていると
考えられる。
Nature Japan Highlight January 20, 2005
http://www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?id=898&issue=7023 宇宙:土星に由来する塵の高速流
Sascha Kempf, Ralf Srama, Mihaly Horaenyi, Marcia Burton, Stefan Helfert, Georg Moragas-Klostermeyer,
Mou Roy & Eberhard Grun
Nature 433, 289 - 291 (20 January 2005); doi:10.1038/nature03218
http://www.nature.com/cgi-taf/DynaPage.taf?file=/nature/journal/v433/n7023/abs/nature03218_fs.html