宇宙 : 世界と世界が衝突する時
近くにあるがか座β星の最新画像から、この星にある有名な塵の円盤の、これまでにな
く詳細な構造が明らかになった。この円盤の非対称性は、塵よりもさらに大きな粒子の塊
が原因であって、おそらく天体の衝突か微惑星の破壊で生じたようだ。 星を取巻くガスと
塵の円盤からは、我々自身の太陽系形成に関する情報が得られる。そして、がか座β星
は、地球からわずか60光年の距離にそのような円盤があってよく研究されている。
今回C M Telescoたちは、この星を取巻く高温の塵の分布を測定し、世界最大の望遠鏡の
ひとつに搭載された新しいカメラを用いて撮影した、この星の中心円盤の熱赤外線画像を
公開している。この画像で、南西に伸びる大きく明るい翼状構造にある粒子の塊は、その
大きさが円盤の他の部分と違って見えており、これはおそらく惑星程度の大きさの天体同
士の最近起こった大規模な衝突の結果であるらしい。
塵の粒子は「急速に消散していくと思われるので、それらの塵が円盤の一部分にまと
まっているということは、我々の見ている円盤が歴史上の特別な瞬間にいるということに
なる」と、A J WeinbergerはNews and Viewsで語っている。
Nature Japan Highlight January 13, 2005
http://www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?id=892&issue=7022 宇宙:がか座β星の中赤外線画像と中心部の円盤における微惑星衝突に考えられる役割
Charles M. Telesco, R. Scott Fisher, Mark C. Wyatt, Stanley F. Dermott, Thomas J. J. Kehoe, Steven Novotny,
Naibi Marinas, James T. Radomski, Christopher Packham, James De Buizer & Thomas L. Hayward
Nature 433, 133-136 (13 January 2005); doi:10.1038/nature03255
http://www.nature.com/cgi-taf/DynaPage.taf?file=/nature/journal/v433/n7022/abs/nature03255_fs.html News and Views
惑星科学:構築場所を検分する
Alycia J. Weinberger
http://www.nature.com/cgi-taf/DynaPage.taf?file=/nature/journal/v433/n7022/abs/433114a_fs.html