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♪名有りのひみつ♪:
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♪名有りのひみつ♪:2005/04/23(土) 18:37:11 ID:iL33kEVP
☆勝手に和訳☆
太陽に似た恒星の周囲にある小惑星帯で起こっている小惑星同士の衝突によって飛び散ったと考えられるちりを、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡が観測した。
今回の発見は天文学者にとって太陽系に似た遠くにある恒星系における観測として貴重なものであり、地球のような惑星が他にも存在するのか、それはどこで形成されるのかを明らかにしていくための重要な第一歩となるであろう。
「小惑星は地球のような岩石惑星が形成されたときに取り残されたものだ。」カリフォルニア州パサデナのカリフォルニア技術研究所のCharles Beichman博士はこう話す。
「私たちは他の地球型惑星を直接観測することはできないが、化石ともいえるちりを観測し研究することができる。」
小惑星帯はいわば惑星系のゴミ捨て場である。惑星になり損ねた岩石質の破片とともに散らばり、時に互いに衝突し、ちりを撒き散らす。
私たちの太陽系では小惑星が地球や月、他の惑星に衝突を繰り返してきた。
太陽と同じくらいのサイズの恒星に小惑星帯が見つかったのは確認されている中では今回が初めて。
HD69830と呼ばれるこの恒星は地球から41光年の距離にある。
太陽系外の小惑星帯は他にも2つ発見されているが、いずれもより若くて質量の大きな恒星の周囲にあるものだった。
この新しく発見された小惑星帯は知られている中で最も太陽系の小惑星帯に似ているが、瓜二つというわけではない。
太陽系の小惑星帯よりも分厚く、25倍もの質量がある。
もし太陽系にもこのくらい密度の高い小惑星帯があったとしたら、夜空に明るく輝く帯として見えることだろう。
また、この小惑星帯は太陽系のそれよりももっと恒星の近くにある。
太陽系の小惑星帯は火星と木星の軌道の間にあるが、これは金星の軌道より内側にあたる領域に広がっているのである。
それでもなおこれら2つの小惑星帯には重要な共通点があるかもしれない。
木星は小惑星帯の外側の壁となって、小惑星を何本かの帯にまとめあげている。
これと同様に土星サイズ、もしくはそれ以下の未発見の惑星が小惑星を束ねているかもしれないのである。
NASAの将来の惑星探索ミッションの一つであるSIM PlanetQuestでHD69830の周囲を回るそのような惑星が発見されるかもしれない。
地球の数倍程度の質量を持つ惑星を発見するだろうと期待されているこのミッションは2011年に始まる予定となっている。
Beichmanらのチームはスピッツァーの赤外線スペクトログラフを使って85個の太陽のような恒星を観測した。
そのうちHD69830にのみ小惑星帯が発見された。
彼らは小惑星そのものを観測したわけではないが、恒星系の内側領域に閉じ込められた暖かいちりの厚い円盤を捉えた。
小惑星帯の中で比較的高頻度に、約1000年に1回程度衝突が起こっており、それによって撒き散らされたちりであると考えられる。
「この小惑星帯には太陽系のそれよりも多くの小惑星が存在するために、より大規模な衝突がより高頻度に起きていて、今回スピッツァーがこの小惑星帯を発見することができた。」共著者であるトゥーソン、アリゾナ大のGeorge Rieke博士はこう話す。
「今日の太陽系はもっと静かな場所で、恐竜を絶滅させたような大規模な衝突は1億年に1度くらいしか起こらない。」
スピッツァーが観測したちりが本当に小惑星によるものなのかを確かめるためには、2番目に考えられる理論を除外しなければならない。
天文学者たちによれば、冥王星程度の大きさの巨大彗星が恒星の近くにやってきてゆっくりと蒸発し、ちりの帯を作っている可能性もある。
この恒星の周囲のちりにヘール・ボップ彗星で発見されたような小さな珪酸塩の結晶が含まれていることを天文学者たちが発見し、この仮説の根拠となった。
これらの結晶の一つは苦土カンラン石と呼ばれる明るい緑に輝く宝石だった。
「超彗星説はかなり興味深いものだが、いずれ近いうちに明らかになるだろう。」とBeichman博士は話す。
スピッツァーや地上の望遠鏡を使った今後の観測によって、ちりの起源が小惑星なのか彗星なのか結論が出ると期待されている。