★「体内時計」の新メカニズム、名古屋大チームが発見
生物の生活リズムをつかさどる「体内時計」の新たなメカニズムを、名古屋大学の
研究チームが下等生物で発見した。
人間で同じ仕組みが見つかれば、眠りや目覚めなどの謎にさらに迫れそうだ。
米科学誌サイエンス電子版で18日、発表された。
体内時計の研究では、関係する遺伝子が見つかっている。「時計遺伝子」と言い、
「時計たんぱく質」を次々と作り出している。
時計たんぱく質が増えると、今度は時計遺伝子の働きは抑えられ、時計たんぱく質は
減少に転じる。このたんぱく質の合成・分解サイクルが体内時計そのものというのが
定説だった。
研究チームは、約24時間の生活リズムを持つシアノバクテリア(らん藻)を光合成が
できないよう真っ暗な環境に置いた。時計遺伝子と時計たんぱく質の関係するサイクルは
見られなくなったが、時計たんぱく質がリン酸化と脱リン酸化を繰り返して活発に働いたり、
おとなしくなるサイクルは3日以上も続いた。研究チームは、リン酸化・脱リン酸化
サイクルが体内時計の正体とみている。
研究チームによれば、リン酸化・脱リン酸化反応はたんぱく質合成・分解に比べ
消費エネルギーが少ない。動物が冬眠中に、代謝が落ち、体温が低下しても体内時計が
働くことも、うまく説明できるという。
讀賣新聞
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20041119i403.htm