Andrew P. Wengらは、研究対象となったT-ALL患者のほぼ半数の腫瘍細胞で、NOTCH-1 蛋白質(T細胞の発達を調整する手助けをする蛋白質)をエンコードする遺伝子に突然変異が 認められることを発見した。調整役としての務めを果たすためには、NOTCH-1はバラバラに 分解されなければならない。この分解段階の1つに、アルツハイマー病で脳蛋白質分解に関 与するガンマセクレターゼ酵素が関わっている。したがって、アルツハイマー病研究者らが 既に研究を進めている当該酵素の阻害薬が、T-ALL治療法にも役立つ可能性があると著者ら は提案している。
Activating Mutations of NOTCH1 in Human T Cell Acute Lymphoblastic Leukemia Andrew P. Weng, Adolfo A. Ferrando, Woojoong Lee, John P. Morris, IV, Lewis B. Silverman, Cheryll Sanchez-Irizarry, Stephen C. Blacklow, A. Thomas Look, and Jon C. Aster Science 8 October 2004: 269-271. http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/306/5694/269