室工大の廃プラ・リサイクル技術、世界へ発信
室蘭工業大学応用化学科の上道芳夫教授が研究開発した、触媒を利用した
非燃焼型廃プラスチックリサイクル新技術がこのほど、共同研究者の民間企業が建設する
本格的プラントによる実証試験段階に入り、世界に先駆けた事業化に向け大きく踏み出した。
廃プラは身の周りにはあふれるが、焼却や埋め立てなどの廃棄は、有害物質の発生、
侵出を伴う厄介者。上道教授は平成10年、廃プラの中でも生産量が最も多いポリエチレン、
ポリプロピレンを、ガリウムシリケートという触媒を利用し、化学品(プラスチック)や医薬品の
原料になるベンゼン、トルエン、キシレンなど混合油(BTX)と水素に分解する新技術の
開発に成功(特許取得済み)。BTXの回収率は60%を達成した。
同年、石川島播磨重工業(IHI)と実用化技術開発を開始。平成13年には新エネルギー・
産業技術総合開発機構(NEDO)の基盤技術研究促進事業に採択され、IHIを中心に同大、
産業技術総合研究所北海道センター、神奈川県産業技術総合研究所との共同研究体制で
取り組んできた。
小型プラントで実験を重ねてきたIHIがこのほど、本年度中に本格的な実証プラントを建設する
構想を発表、開発は新たな段階に入った。廃プラのリサイクル事業実現は、分別や収集体制の
社会整備という障壁もあるが、上道教授は「産学連携によって室工大発の新技術が
大きく展開する意味は大きい」と開発の進展に期待している。
※ソース(室蘭民報)
http://www.muromin.mnw.jp/muroHPZ/topi/topi.htm#01