★人獣感染防御研究センター、きょう岐阜大にオープン /岐阜
◇病原体研究から創薬研究まで一貫
BSE(牛海綿状脳症)、鳥インフルエンザ、SARS(新型肺炎)など、人と動物に
感染すると言われる病原体を研究し治療薬開発を目的とする「人獣感染防御研究センター」
(桑田一夫センター長)が1日、岐阜市柳戸の岐阜大(黒木登志夫学長)にオープンする。
文部科学省によると、病原体研究から創薬研究まで一貫して行う機関は全国でも珍しいという。
岐阜大ではこれまで、大学院医学研究科で病原体を解明し、抗体作用を持つ物質のデザインや
開発を行ってきた。同科はプリオン(動物の体内にもともとあるたんぱく質の一種)が変化した
異常プリオンに対し、異常性を抑える化合物を発見するなどの成果を上げている。
また、工学部でも抗マラリア物質の設計と有機合成に成功。応用生物科学部獣医学講座でも、
家畜や野生動物の感染症について研究を行っており、学部・学科を超えた総合的な研究が期待
されていた。同センターの開設で、学科や学部が個別に行ってきた研究や、研究材料を共有できる。
人獣が共通して感染する病原体の分布を調べたり、新たな病原体の解析をすることが可能になるという。
同大の安田孝志理事は「BSEなどは感染ルートが分かってきて、今後はいかに治療していくかが
求められている。研究センターでは6年以内をめどに成果を出していきたい」と話している。
毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040901-00000120-mailo-l21