■ヒートアイランド対策、街の熱さ計算ソフト開発(04/08/29)
ヒートアイランド現象の緩和に向け、都市再開発地域や住宅地が周囲にどれだけ熱を放出するか、
設計段階で事前評価するシステムを、東京工業大学大学院の梅干野晁(ほやのあきら)教授(
環境理工学創造専攻)らが開発した。
建物や道路の全表面温度をパソコンでシミュレーションする手法の開発は初めて。
来年中にソフトの市販を目指すといい29日から札幌市などで開かれる日本建築学会大会で発表する。
現在、建物の設計はパソコンによる3次元処理で行うことが多いが、設計段階でのヒートアイランド
対策は手探り状態だ。
梅干野教授らは観測や実験、国内外の研究結果を基に、ヒートアイランド現象に影響を及ぼす
建物や道路の材料特性(日射反射率、熱伝導率)、樹木の影響などのデータを収集した。
それをもとに、教授らは立体設計図に建物の構造や材質、地面の被覆状態などを入力すれば、
地区全体の表面温度を算出し、一目で分かるように色違いで表示するシステムを完成した。
これなら、周囲への熱放出を減らすように、建物の材質や緑地の配置などを検討しながら、
設計を進められる。屋上・壁面緑化の評価も可能だ。梅干野教授は「今後、都市部では熱環境を
考慮し、快適な屋外空間を作る設計が必要だ」と話している。(読売新聞)
( ´`ω´)つ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040829-00000301-yom-soci 【ヒートアイランド現象】
都心ほど気温が高くなり、最低気温が下がらなくなる現象のことだ。
東京、名古屋、大阪などの大都市は、ほかの地域と比べて暖かくなっている。
実際に気温を測ってみると、都心ほど温度が高くなっている。さらに、都市の温度を
「等温線」というグラフにつけてみると、温度の高い地域が島のような形になる。
このことからヒートアイランド(熱の島)と言われる。
東京の場合、郊外と比較して、年平均で2.5度ほども高くなっているという調査結果がある。
ヒートアイランドの原因としては、夏場では、クーラーから排出される熱などが挙げられる。
たかがクーラーでも、都市ではいっせいに使われるため、都市の気温にかなりの影響を与えている。
また、都心部は、コンクリート建物が多いため、入ってきた熱が出て行きにくいのだ。その結果、
都心部は熱がこもるようになる。
ヒートアイランドは、地域が極度に過密化することによって生じる都市問題のひとつだといえる。
対策としては、「緑を増やす」「風通しをよくする」などが考えられている。
( ´`ω´)つ
http://www.science-news.net/database/display.php?id=20038