宇宙旅行中に幹細胞から組織を培養、移植するNASAプロジェクト
2004年8月16日 2:00am PT 2人のイギリス人科学者が米航空宇宙局(NASA)と協力し、
宇宙で宇宙飛行士に移植可能な代替組織を培養する計画を立てている。火星への有人飛行ミッ
ション中に必要になった場合、培養組織を飛行士の身体に移植できるようにするのが目標だ。
キングストン大学生命科学科のコリン・マガッキン博士とP・ニコラス・フォラズ博士は、
NASAと共同で、100万ドルのプロジェクトに着手することになった。プロジェクトでは、宇
宙飛行士を宇宙放射線から守る方法を探究する。2020年に火星へ向かって出発する予定の飛
行士たちのためだ。
両博士は、NASAの微小重力設備を使い、長期にわたる宇宙滞在が引き起こす骨量減少を防
ぐ予防薬を開発するとともに、宇宙放射線に対する宇宙飛行士の身体の防衛メカニズムを高め
る方法についても研究する。(中略)
研究チームによると、宇宙飛行士の放射線に対する免疫性が大幅に強化できない場合は、次
のステップとして、代替細胞組織の培養に着手するという。研究チームは、臍帯血幹細胞や骨
髄幹細胞と、成人から採取した細胞組織を組み合わせ、新しい組織を子宮内の状態に似せた重
力のない環境で培養することから研究を始める計画となっている。(中略)
必要に応じて身体の器官を培養することは、全世界の再生医学の専門家が長年にわたって追
い求めてきた究極の目標だ。現在のところ主要な課題は、細胞組織を立体的に成長させる点に
ある。平坦な皿の上で培養した細胞は、重力を受けて薄いシートのような形状になり、個々の
独立した細胞のようにふるまうため、人体の組織や器官の成長につながる結合を形成できない。
しかし、微小重力の環境には明確な利点がある――バイオリアクターの中を無重力に近づけ
ると、細胞組織が人体組織のような立体構造を形成できるようになる。(略)
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Hotwired 2004年8月19日
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