放射線がくる方向を瞬時に特定できる検出器を、放射線医学総合研究所(千葉市)が開発した。
すべての方向(360度)に対応できる検出器は世界初。原子力施設の監視や事故時の対応に役立
つものとして実用化を急ぐ。
現在の機器は、放射線の有無や強さは分かるが、発生源の場所は特定できない。このため、雨な
どで一時的に地上の放射線が上昇しても、事故とすぐには区別できなかった。
新検出器は直径8センチ、長さ40センチの円筒形。先端部に3種類の蛍光物質が入っており、
放射線の一種のガンマ線をとらえる。蛍光物質がガンマ線と反応して出す3種類の光を分析すると、
物質の種類や発生源の方角を5度以内の誤差で割り出せる。
方角は約5秒で計算可能で、2台の検出器を離して使えば発生源の場所も特定できる。ガンマ線
は壁を通過しやすく、数キロ先まで届くこともあり、遠方の事故もとらえやすい。同研究所の白川
芳幸・主任研究員は「放射線のトラブルを素早く正確に検知でき、事故後の対応も安全性が増す」
と話している。
引用元
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/news/20040808k0000m040117000c.html