北里研究所とシャープは、「プラズマクラスターイオン」技術によるネココロナウイルスの
不活化を実証した。シャープが7月27日に明らかにしたもの。北里研究所北里研究所メディカ
ルセンター病院の鈴木達夫氏/小林憲忠氏と同社が実験したところ、40分以内に浮遊ウイルス
の99.7%を不活化できたという。
ネココロナウイルスは、コロナウイルス科に属するウイルス。コロナウイルスは直径60nm〜
220nmの球形をしており、人や猫、鳥、犬、マウスなどに感染する。感染した場合、動物は呼吸
器や腸管、肝臓などの臓器に疾患を起こし、人には呼吸器疾患が現れる。「風邪全体の10%〜
30%は同ウイルスが原因と考えられている」(同社)
プラズマクラスターイオン技術とは、空気中の水分子と酸素分子から生成した正および負イオン
を空気中に大量に放出し、浮遊カビ菌、インフルエンザ・ウイルス、ダニ・アレルゲンなどを
不活化する空気浄化技術。シャープは2000年に同技術を開発し、世界各地の研究機関と共同で
効能の検証を進めている。
北里研究所と同社が行った実験では、ネココロナウイルスを飛沫噴霧した容量1立方mの箱を2つ
用意し、一方だけにプラズマクラスターイオン発生素子を設置して不活化効果を比較した。
イオンを作用させた箱では、ウイルスの99.7%が40分以内に不活化することを確認した。
不活化のメカニズムについて、同社は「イオンとの化学反応がウイルスの触手部から水素原子を
抜き取り、感染に必要な触手を破壊した」とみる。不活化したコロナウイルスは、体内に入って
も感染しない。
また現在同社は、新型肺炎“重症急性呼吸器症候群(SARS)”の原因となるコロナウイルス科の
SARSウイルスについて、プラズマクラスターイオン技術による不活化効果の検証を行っている。
引用元
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/medi/321953 シャープ:ニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/040727-a.html