利き手は妊娠3カ月の胎児ですでに決定? 英科学誌
2004.07.25
ロンドン(ロイター) 人間の利き手がどのようにして決まるのかについてはさまざまな説があり、
現在も議論が続いているが、英科学誌ニュー・サイエンティストにこのほど、妊娠3カ月の胎児の
時期に右利きが左利きかが決定しているとの研究結果が発表された。
研究をまとめたのは、英・北アイルランドのベルファストにあるクイーンズ大学のピーター・ヘッパー氏
ら。チームでは妊婦1000人の胎児の様子を超音波映像で観察し、出生後も追跡調査した。
その結果、妊娠10週から12週の間におなかの中で右手の親指をよくしゃぶっていた子は、
その後右利きになる傾向が強いことが分かった。また、この時期の胎児の手の動きをよく見ると、
盛んに動いている方の手が将来利き手になる例が多いことも判明したという。
ヘッパー氏によると、この時期の胎児は脳からの指令でなく、脊椎(せきつい)反射によって手足を
動かしているとみられる。ニュー・サイエンティストには、
「体の片側がもう一方より少し速く発達すると、そちらの手足がよく使われるようになるのでは」
との同氏の仮説が紹介されている。
利き手が決定する要因をめぐっては、遺伝や環境など諸説があり、確かな結論は出ていない。
子どもが右手と左手を使い分けるようになるのは3─4歳のころが多いことから、その時期に
利き手が決まると考えられてきた。ヘッパー氏らの研究はこの定説を真っ向から否定する内容
であるだけに、専門家らの注目を集めそうだ。
http://cnn.co.jp/science/CNN200407250001.html