▼産科婦人科学会、慶応大申請の受精卵診断を正式承認
子どもが遺伝性の病気になる可能性を体外で受精させた受精卵の段階で調べる受精卵診断について
日本産科婦人科学会(会長・藤井信吾京都大教授)は23日、臨時理事会を開き、デュシェンヌ型
筋ジストロフィーを対象にした慶応大の申請を正式に承認した。学会が受精卵診断の実施を承認し
たのは初めて。
学会は、こうした問題に対し、学会の自主規制では限界があるとして規制や生命倫理についての
検討を求める要望書を政府に提出した。
藤井会長は「生命の選別を私たちの倫理観念だけで判断していいのかどうか様々な意見がある。
自己規制の限界を感じている」と話した。
受精卵診断について学会は、重い遺伝性の病気に限って個別に審査するという条件つきで認める会告
(指針)を定めている。学会倫理委員会が13日、慶応大の申請を認め、筋緊張性ジストロフィーを
めぐる名古屋市大の申請を認めない結論を出しており、理事会も了承した。
受精卵診断をめぐっては神戸市の医師が学会に無申請で男女産み分け目的など3例の診断を実施した
ことが2月に発覚。医師は学会から除名されたが、秋以降にも実施する意向を表明、規制のあり方が
問われている。
http://www.asahi.com/science/update/0723/001.html