絶滅寸前だった米国のハイイロオオカミが順調に増え、ノートン内務長官は
16日、中部から北東部の21州の地域について復活宣言をした。同地域で
絶滅危惧種の指定を解除する意向だ。
ハイイロオオカミはかつて、アラスカからメキシコまで北米の広い地域に
生息していた。だが、家畜を襲う害獣として殺されたり、森林の伐採で
生息地を失ったりして激減し、60〜70年代には米本土48州でほとんど
姿が見られなくなった。
絶滅危惧種保護法の対象に指定し、内務省野生生物保護局が復活作戦を
展開してきた結果、ミネソタ、ウィスコンシン、ミシガンの3州で計約
3200頭まで増えた。カナダから個体を移送し繁殖させたイエローストン
国立公園の周辺でも、数百頭が生息するようになったという。
このため同省は、東部と西部、南西部に分かれている生息地域のうち、
3州を含む東部地域で絶滅危惧種の指定を解除する方針を固めた。自然保護
団体は再び生息数が減ることを心配して、保護・復活作戦の継続を求めて
おり、同省は一般から意見を募って年内にも最終決定する。
オオカミはシカなど草食動物の数を調整する役割がある。激減によって草食
動物が増え、生態系のバランスが崩れつつあった。
引用
http://www.asahi.com/science/update/0717/001.html