■老年性アルツハイマー、原因は遺伝子変異…米大チーム
アルツハイマー病の大半を占める「老年性アルツハイマー病」の原因と見られる遺伝子の変異を、
米カリフォルニア大とコーネル大の研究チームが発見し、5日の米科学アカデミー紀要(電子版)に
発表した。
これまで、アルツハイマー病に関連する遺伝子変異はいくつか発見されているが、早期に発症する
「家族性」のものばかりで、患者の約9割を占めるとも言われる老年性の遺伝子変異は人間では
特定できていなかった。
研究チームは、アルツハイマー病を患って死亡した高齢者23人と、痴呆(ちほう)を起こさずに死亡した
同40人の脳細胞を分析。アルツハイマーで死亡した人の3分の2に、細胞内の小器官「ミトコンドリア」の
遺伝子に共通の変異があることを発見した。痴呆を起こさなかった高齢者には、この変異は見られなかった。
この変異は「T414G」と呼ばれ、ミトコンドリア遺伝子の414番目の部分に、遺伝暗号の置き換えが
起きている。これまでも老化との関連が指摘されていた。
研究チームは、この変異がミトコンドリアの呼吸代謝やエネルギー生産の機能を阻害し、
脳細胞を損傷、アルツハイマー病につながると推定している。一方で「この変異が、別の原因で
引き起こされた症状の1つということもありうる」と慎重な見方も示し、さらに症例を増やして詳しく
調べる方針だ。
( ´`ω´)つ
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20040706i404.htm