【物理】分極力によるサイクロトロン周波数のシフト

均一な磁場B中でのイオン化した粒子のサイクロトロン周波数は、その質量mと電荷qに対してc=qB/mの
関係があり、この簡単な関係はイオンサイクロトロン共鳴質量分析による高感度な質量比較の基礎となって
いる。この測定法は生物分子の同定や、化学反応速度の研究から、原子スペクトルの微細構造の決定に至るまで
さまざまな用途に用いられている。今回、CO+イオン一個を高精度測定したところ、周回運動しているイオン
により誘起された双極子により、サイクロトロン周波数からのずれが生じていることがわかった。このサイク
ロトロン周波数からのずれを使って、CO+イオンの量子状態を非破壊的に測定した。また、この効果はCO+の
body-frame双極子モーメントを数パーセントの精度で測定することにも用いることができる。そのため、
他にあまり正確に測定できる手段の無いような分子イオンの双極子モーメントの測定手段を提供する。この
研究結果により明らかになった一般的なずれは、今日得られるもっとも正確な質量比較に影響を及ぼすことから、
アインシュタインの質量−エネルギー相関や電荷−パリティー−時間反転対称性の直接的な検証手段を提供する
とともに、化学結合の測定にも応用できる可能性がある。

Cyclotron frequency shifts arising from polarization forces
JAMES K. THOMPSON, SIMON RAINVILLE & DAVID E. PRITCHARD
Nature 430, 58 - 61 (01 July 2004); doi:10.1038/nature02682
http://www.nature.com/cgi-taf/DynaPage.taf?file=/nature/journal/v430/n6995/abs/nature02682_fs.html

参考にした日本語訳（要登録）
物理 : 量子シフト
http://natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?id=706&issue=6995

Ion cyclotron resonance mass spectrometer (ICR-MS or ICR/MS)　
イオンサイクロトロン共鳴質量分析計：
一様磁場中で回転運動または螺旋運動（サイクロトロン運動） するイオンに高周波電場をかけると、 共鳴的に
エネルギーを吸収し回転半径を増す現象を利用した質量分析計。 イオンの検出には誘導電流とそのフーリエ変換が
用いられることが多く、 その場合には FT-MS とも言う。FT-ICR-MS 参照

Fourier-transform ion cyclotron resonance mass spectrometry (FT-ICR-MS or FT-ICR/MS)　
フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析：
一様磁場中のイ オンのサイクロトロン周波数を検出して、 m/z 値の異なるイオンを検出する質量分析法。
例として、一様磁場中に置かれた電極に高周波の周波数をスキャンしながら印加し、総てのイオンにエネルギーを
与え、次いで、 アンテナとしての電極に流れる誘導電流信号をフーリエ変換して m/z を分離しスペクトル化する
方法。 変換後のフーリエ周波数がイオンの質量に、 フーリエ係数がイオン強度に対応する。

FT-ICR 装置による原子クラスターの質量スペクトル
http://www.photon.t.u-tokyo.ac.jp/~maruyama/papers/98/nagoya/WS1.pdf

そういえば QIT はどうなったんだろうか…

>>1
＞化学結合の測定にも応用できる可能性がある

これ、ノーベル賞、いけるかな？

>1
もう一度、ゆっくり言って下さい
よく聞き取れませんでした

何一つ理解できませんが何か

純電荷がサイクロトロンからエネルギーを受け取る過程ならわかるけど…
双極子だと周波数が変化するというのは、公転だけでなく自転もするから、
それにエネルギーをくわれるからというのをイメージしてもいい？